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序章

初投稿ですがよろしくお願いします

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 ロボット。

 AIやメカと言ってもいい。


 それら全て、既に私たちの生活に深く関わっていることだろう。人類が昔から憧れ、研究し続けた、人々の浪漫の結晶。現代では少しずつ進歩し、普及しつつある。その元となった創作物も多くの人に親しまれている。そんなロボットという仮想の存在を現実にするべく、多くの人間が今も知恵と工夫を凝らしていることだろう。

 先が見えない研究を、ロボットが普及する未来を夢見て。


 そんな現代からは少し先の未来。

 感情豊かなロボット達が生活を深く支えている。

 日常にロボットがなじんでいて、必ずいなければならない存在であり、人類の大切な友達である。

 夢のような時代だ。

 どれだけの人間が夢見たことか。

 

 でもまさか、そんな時代に


 そのロボットに襲われることになるなんて


 考えもしなかった。


 ・・・


 町の喧騒を掻き分け風のように走る、なんて綺麗なものでもなく、汚いフォームで舗装された道路を走っていく。踏み込むごとに、運動しなれない俺の足裏が悲鳴をあげている。


 「今のところ右ですぅ!」

 

 足が既に重いが、そんな棒切れのような足に鞭を打ち、Uターンを決め込む。ミシシッとひずみがつくような感覚。とうに俺の足は限界を迎えていた。

 だが遅れるわけにはいかない。初日から遅刻なんて真っ平ごめんだぜ。


 「もう!走るのおそいですぅぅ!もっとどうにかならないんですかぁ!」


 「わかってるから余計なこと言わずにナビだけしてくれよぉ!」


 「零斗(れいと)さんのせいですぅ!零斗さんが足遅いのがいけないんですぅぅ!!!」


 確かに体育の成績は中の上。高くもなく低くもない。

 だがこの状況がそんな俺の自業自得の産物だというには無理がある。


 「お前が自転車乗れたらこんなことにはなってねんだよ!」


 「ろ、ロボットにだって得意不得意はありますぅ!」


 「大抵どんなロボットでも乗り物一つぐらい乗れるだろがぁ!」


 「なんですかロボット差別ですかぁ!やめてくださいぃぃぃ!!!」


 ロボット差別、という言葉に周りの通行人が一斉に振り返る。思ったよりも大きな声で、注目を集めていたようだ。だがこんなところで足止めを喰らっている場合ではない。とりあえずその場を離れることにした...

 息が整った頃、まだ足は痛いが走り出す。路肩の時計を見ると長い針も短い針も左下を向いている。8時40分くらいか?

 確か入学式は9時からだったはず。あと20分で間に合うか…?

 

 「このペースだとあと30分かかりますぅ!」


 どうやら間に合わないらしい。


 「少し飛ばすぞ!」


___


 ヤバい。完全に迷った。

 どこだよここ。

 混乱するのも無理はないと自分を慰めてあげたい。なぜなら目の前に広がっているのは自然が生い茂る森だったからだ。木と木と草しか見えない。

 どうなってんだ。さっきまで俺が走っていた都会感溢れる街はどこにいった。


 「えぇ...なんで座標がずれてるのぉ......?」


 さっきからアクセスを繰り返し、そして同時に失敗を繰り返しているルビーは「うぅ」とか「えぇ」とか唸っている。

 まだナビが復活するには時間がかかりそうだ。

 もう多分間に合わないが、とりあえず来た道を引き返そう。


 そう思い振り返った俺の目の前には、でかい壁があった。


 ...壁?いや壁じゃなくてロボットか。見上げてみると、どうやらよくあるタイプの土木作業用ロボットだった。道を聞けるかもしれない、と思い声をあげる。


 いやあげようとした。その声は外に出ることはなく、呑み込まれることになった。

 

 なぜならロボットが自らのショベルアームを今にも振り下ろそうとしていたからである。


 もしかしてヤバい?


 そう思ったのも束の間。その巨大で硬そうで、当たったら体が粉々になりそうなアームが今にも自分を潰そうと目の前に迫ってきて...!?


 「危ない!!」


 はっ、と我に返った俺は咄嗟に身をかわして目の前に迫ってくる金属の塊を避けた。

 あっっぶねぇ!!!マヂで死んだかと思ったぁぁ!!

ルビーが叫んでなかったら終わってたな。

 創作物でよくあるシチュエーションだけど、意外と避けられるもんなんだなぁ...なんて安心する心の余裕は今の俺にはない。


 「どうなってんだよぉーーー!!!」


 と我ながらカッコよくない声をあげながら、全力で逃げる。


 「...早く...早くっ!......」

とルビーの声が聞こえる。それと同時に、後ろから木をなぎ倒して近づいてくる足音がする。どうやら環境破壊に気を遣うほど彼は優しくないようだ。いや彼女かもしれないけど。だが逃げ切らないとそれを知る知らないの前にご臨終してしまう。

 そうしたら元も子も、男も女もない。

 全力で逃げるしかない。


逃げる!


逃げる。


逃げる...?


どこに?


 「そういやぁ道わかんねんだったぁぁ!!」


 「...!出ました!マップデータ起動、零斗さんそこを左に進んでください!」


 「逃げ道キターーー!!!」


 よっしゃ、なんかわからないけどこれで安心だぜ!これぞ我が逃走経路!勝利への道!


 と調子に乗っていた俺に天罰が下ったのだろうか。その瞬間世界が回転した。いや正確に言うと回転したのは自分なんだが、いっそ世界が回転してくれていれば世界のせいに出来たのに。

つまりどういうことか。

簡潔にまとめると、盛大に転んだ。

 差し脚のつま先の角度が地面とかみ合わず、前に踏み出そうとしていた俺の足は後ろにおいていかれ、反対に前に行こうとしていた体はそのまま体幹を維持できず、前方向に頭から飛んだ。受け身をとれるほど俺の運動神経は出来上がっていない。いや、うまく受け身をとれたとしても疲労ですでに限界を超えていた俺の足はもう動いてはくれないだろう。


 つまりどういうことか。


 残念ながら、健闘虚しく、俺の逃走劇は幕を閉じたということだ。


 後ろから迫ってくるロボット。もう少しでここまでたどり着くだろう。


 あぁ、結局最初から最後まで自業自得だったような気がする。もう少し時間に余裕をもって家を出ていたらこうはならなかったかもしれない。死因がありふれた日常の注意を怠った結果というのは随分俺らしい。


「にげてっ!!にげてぇっ!!にげてぇくださいぃぃ!!」と泣き叫ぶ声が聞こえる。


 ごめんな。逃げることすらできなくて。お前もあんなに頑張ってくれたのに。

さっきまで繋がらなかった回線が突然繋がる奇跡が都合よく起こるはずもない。おそらく歩いてきた景色と距離で地形データを一から編み出してくれたのだろう。

いつもは「こんな難しい計算できないですぅ」、って言ってたのに。


 期待に応えられなくてごめんな。


…お迎えが来たようだ。父さん、母さん、そろそろ会えるね。まさかこんなすぐ再会するなんて思ってなかったけど。


 できることはやった。しょうがない。全部しょうがないのだ。




でも、やっぱり。


 「まだ死にたくねえなぁ...」




<その時、不思議なことが起こった!!!>


 「少年。よく耐えたな」


 ピンク色の波動が目の前に広がり、その瞬間、目の前に立ちふさがっていた壁は発泡スチロールのごとく吹き飛んだ。


雲がわかれ、天から暖かい光が差し込む。


 そんな光を受けて、空から降りてきたのは、『神様』だった。

 いや、俺が『神様』に見えただけだが。

 冷静な人間が見ると、俗にいう『魔法少女』のような恰好をしたそれは、俺に向かってウインクをした後、ロボットの方に体を向ける。


 「さぁ、あなたの相手はここよ!」


 これから、『神様』の、『神様』による、『神様』のための反撃が始まる。


どうやらまだ、俺の物語は続くらしい。


全然この後の展開書いてないので投稿激遅になります。いったいこの飽き性が書き続けられるのか、見物ですねぇ。

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