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リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
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改革手順確認

 再び父、いや領主名代執務室。



「どうだった、セバス。」

「大変感銘を受けました。まさかこれほどの内容とは。帝都の文官でもこれほどの内容となると難しいほど高い水準と考えます。これをお一人でまとめたとは未だに信じがたい。」 

 まあ、21世紀の知恵満載だからね。


「しかし、惜しむらくは人と資金が決定的に不足している点にございます。」

「まさにそのとおり。そこで、最初は金を掛けずに出来ること、金を生み出すこと、人材育成と確保、計画書の追補や確認を行うこととしたい。」


「具体的にはどのように。」 

「まず、金を掛けずに出来ることとしては、街中のし尿処理システムの構築、領内の資源調査、領地測量、使役事業によるインフラ整備と課税台帳整備が挙げられる。また、事務仕事としては、役人に関する各種規則の策定や領内法整備を行いたい。」


 使役事業とは、税負担の代わりに労働力を提供してもらう制度で、農民の冬の仕事として、また、公共事業の重要なツールとして古くから行われているものである。


「し尿処理システムとは、どのようなものでしょうか?」

「ロスリーの町は糞尿と馬糞にまみれているといっていい。みんな、窓からおまるの中身を投げ捨ててる。これは臭いし不潔だし、伝染病の原因にもなる。そこで、伯爵家所有地の中で農地に近い所に堆肥処理場を設けて、し尿や可燃ゴミを集積する。、そして、町中に何カ所か回収場所を設けて、このし尿回収と処理場の管理を近隣農民にさせる。その代わり、出来たものは農民に無償で使わせるというものだ。」


「確かにお金はかかりませんね。土地なら税金の形に差し押さえた土地がありますし。」

「とにかく頭の上からうんこが降ってくるのは何とかしたい。」

「それで、資源調査とは?」

「既に領内から石灰石は産出している。最初は聞き取り調査で良いが、各騎士爵家に頼んで領内の様々な鉱物を持ってきて欲しい。そこから色々なことが分かるはず。」

「分かりました。それはすぐに実施しましょう。」


「今年度の使役事業はどのような予定かな?」

「既に一部は始まっています。全て近隣河川の築堤です。」


「ならば、ロスリー市民従事分の一部、約半月分を道路整備に充てたい。具体にはこの仕様書のとおり、一旦道路部分を掘削して路盤を砕石と粘土質の土砂などで改良し、整地した後に石かレンガで舗装する。さらには歩行者と馬車の通行部分を分け、外側に排水用の側溝を設置する。こういった舗装道路のモデルを作らせるんだ。整備延長は100mほどで良いが、このモデルを基に、ゆくゆくは領内の主要街道と街路をゆくゆくは整備したい。実際に使えば領民も納得するだろう。」


「領地測量の技術者はいかがします。」

「騎士団員を活用する。現状で戦の予定はないだろう?」


 こうして打ち合わせは続く。


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