さらに人数が増えたお茶会
さて、サントス大公夫妻、いや、叔父さんの到着を待って大お茶会が開催された。
と、ここまでは良かったが、公爵家ご一行も到着し、屋敷のメンバー全員と騎士団長、ジョセフさんメンフィス様やエラさん、アル君たちやセバス一家まで含めると、50名を超えてしまう。
庭いっぱいに人がいるが、こうなったら、徹底して盛り上げてやろう。
「皆さん、本日はお集まりいただき、ありがとうございます。また、サントス大公ご夫妻、ボーエン公爵家の皆様方も、快くご参加いただき、感謝申し上げます。それでは早速、始めましょう。本日はお料理、飲み物、デザートなど、たくさん用意しておりますので、どうぞお気兼ねなく、お楽しみ下さい。」
そう、料理はジョセフさんの店からも提供されている。
「ガッハッハ!バーテルス殿、久しぶりであるな。」
「ええ、男爵。今日は飲み明かしましょうぞ!」
いや、ちゃんと帰れよ・・・
「婿殿、良かったのか。儂らに気を遣わなくても良いのだぞ。」
「こういったことは、賑やかであればあるほど良いものですよ。」
「さあ、屋敷のメンバーはセバスの元に集まって!叔父さん、この構図だからね!」
「ああ、分かった。子供たちをセバスの前に並べてくれるかなあ!」
「さあみんな、個々に並んで。コリンナさんとニコルさんはセバスの隣で。」
「では、我も入れてもらおうかの。」
「殿下もですか?」
「ああ、実はジョルジュに絵姿を描いてもらったことがないのだ。」
「そりゃ叔父さん片手落ちだよ。レアンドロ殿下と一緒の絵を描くべきだよ。」
「分かったからそんなに怒るな。帰ったら真っ先に描くよ。」
「では、儂もひ孫と一緒に描いてもらおうかの。」
「お祖父様もですか?」
「当たり前だ。こんな楽しげなことに入れてくれないなんて、あんまりだぞ。」
結局、みんな入る。
いや、あのキャンパスに入るのか?
「旦那様はどこに?」
「じゃあ、子供の後ろにしゃがむよ。」
「ようしみんな、下書きだけするから、少しだけ我慢してくれ。」
「は~い!」
「ホホホ、旦那様、これはよき冥土の土産になりますぞ。」
「叔父さんになかなか完成させないように言っとくから、それまで元気でいてね。」
「それは困りましたなあ。しかし、私のような者のために、これほど多くの方が集まってくれるとは。嬉しい限りでございますなあ。」
「セバスの人徳だよ。」
「ご領主様、今日は本当にありがとうございます。本当にいい想い出になりました。」
「コリンナさんに喜んでいただいて何よりです。カタリーナさんも、いよいよ来月採用試験ですね。」
「はい、頑張って必ず合格してみせます。」
「セバス、彼女の晴れ姿はしっかりみないとダメだよ。」
「ホホホ、カタリーナ、しっかり頑張りなさい。」
「はい、お祖父様。」
「しかし、みんな賑やかだなあ・・・」
「とても良い事ですな。この20年で屋敷もすっかり明るく、賑やかになりました。」
「セバスもその一員だよ。ずっと。」
しかし、どんどん人が増えて、音量が増すなあ・・・




