大騒ぎの後に
さて、子供会が終わった夜。そっとしておいてあげた方がいいのかなあと思っていたら、ローサの方からやって来た。
こういうことは、比較的珍しい。
「お疲れ、今日はゴメンね。楽しい会にしようと思ったんだけど、とても大変な会になってしまった。」
「いいえ、とても楽しかったです。落ち込んでいた気持ちが浮き上がってきた感じがします。やはり、子供の力って凄いですね。」
「ああ、子育て名人とセバスのお孫さんコンビがいなかったら、制御不能になってたよ。アイリーンさんは大きな子供だったし。」
「でも、私を元気づけるためだったのでしょう。ご主人様もアイリーンさんも。」
「ハハハ、バレてた?」
「とても嬉しかったです。それに、ヴィレはともかくフローレンスも、とても頼もしかったです。」
「ああ、急にお姉ちゃんになってたね。」
「子供の成長を見ていたら、私もしっかりしないと、などと思ってしまいました。」
「一つの命には限りがある。でも、次々に新しい命が加わる。叔父さんのところも、キース君のところも、今年生まれた命だ。失われるより多い。」
「そうですね。そのとおりです。くよくよしている間に追い抜かれてしまいますね。」
「少しづつでいいんだ。いつか、ローサらしさを取り戻して欲しい。」
「はい、必ず。」
「それにしても、エーファさんたち、すっかりママ友になってたねえ。」
「はい、この町に多くの知り合いがいることは、とても心強いことでしょう。」
「来月からエルマー君も増える。」
「また、寂しくなくなりますね。」
「そうだよ。仲間が増えて、辛いことを乗り越える力が更に増えるんだよ。」
「そうですね。ご主人様といると、辛いことより楽しい事の方がはるかに多いです。」
「そう、その顔だよ。」
「何だか、乗り越えられそうな気がしてまいりました。」
「明日は、その顔をエラさんに見せて来るんだよ。とても心配してたし、メンフィス様がいるといっても、あそこは少々寂しいから。」
「私が行って、賑やかになるでしょうか?」
「フランとベルも貸すよ。学校が終わったら、行って来るといい。」
「はい、とても楽しみです。」
「そうだよ、今度はローサがエラさんを元気づける番だからね。頼んだよ。」
「はい。それでは、その、ご主人様、その、久しぶりに・・・」
「うん、そうだね。」
もう、大丈夫じゃないかなあ・・・




