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リンツ伝  作者: レベル低下中
第三章 家族編
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夜もガヤガヤ

「まさか、あのベッドが手狭になる日が来るとは・・・」

「仕方ありません。大の大人6人に子供3人も集まれば、ああもなります・・・」


 あの巨大ベッドに御祖父様、お義父様、お義母様、エミーリア様、ミネルヴァ様、リーン様にヴィレ、フラン、ベルが拉致されている。さすがに狭いと、私たちは自室に追い出されてしまった。もちろん、公爵家の方々には2階と3階に部屋をあてがってはいるのだが、夜は子育て部屋で楽しいパジャマパーティーとなっている。


 ということで、私たちは、人混みからかろうじて逃げ出してきたフローレンスとともに、自室でお休みだ。


「向こうは賑やかですね。」

「フランたちもいつになったら寝るんだろう。」

「多分、寝たくても寝かせてもらえないと思います。」


「ヴィレはマイペースだからいつの間にか寝てるだろうけどね。」

「はい、ヴィレは少し油断していると、いつの間にか寝ていますね。」

「ベルもマイペースです。心配は要りません。」

「フラン、健闘を祈る、キリッ。」


「でも、たまにはこういうメンバーもいいですね。」

「はい、喧噪を横に、静かに居られるのも風情があります。」

「フローレンスはひっつき虫になってるけど。」

「ではご主人様、私もひっつき虫になってもよろしいでしょうか。」

「旦那様、私もそのひっつき虫というものになりたいです。」

「いいよ。少し寒い時期になったからね。風邪を引かないように注意しないと。」

「おとさま、だいちゅき・・・」

「フローレンスはすっかりお父さん子になってしまいましたね。」

「まあ、そのうちパパ嫌い、とか言い出すだろうから、それまでの間はいいでしょ。」


「はい、でもフローレンスがそのような事、言うでしょうか。」

「生物学的にそうなるように出来てるからね。正常ならそうなる。」

「あのミネルヴァやリーンですら、そうですね。確かに言われてみればそうです。やはり、旦那様の洞察力は本当に凄いです。」

 まあ、21世紀では実証済みだからね・・・


「でも、みんないい子には育ってくれている。」

「私はフランとベルが心配ですが。」

「あの二人もきっと大丈夫。いかにも子供って感じじゃないか。」

「そうですね。それと旦那様、私にも女の子が・・・」

「分かってる。フローレンスのためにも、もう一人女の子がいた方がいいかなと思ってる。」

「おとさま、だっこしてねる・・・」


 遠くの喧噪のお陰で、却って静かに感じる秋の夜・・・


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