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リンツ伝  作者: レベル低下中
第三章 家族編
648/1781

御祖父様、ご乱心?

帝国歴255年10月


 収穫祭も近づいたある日の午後。


「旦那様、大変でございます。ボーエン公爵様が!」

「何、公爵様がどうした!」

「そ、その、屋敷に到着しました!」

「へっ?」

 何か急用だろうか。しかし、来るなら事前に連絡があるはず・・・


 屋敷に戻るとひ孫と戯れる公爵の姿が。どうやら火急の用件ではなさそうで良かった。

「おう、婿殿!今日の仕事は終わりかな?」

「いえ、そうではございませんが、急なお越しで・・・」

「ハハハ!来てやったぞ。しかもお忍びでな!」

「お忍び・・・公爵様が突然いなくなると混乱するのでは?」

「ああ、公爵の仕事などコーネリアスなら支障ない。儂はひ孫の顔を見に来たのだ。」

 うわあ、これアカンやつだ・・・


「婿殿、そのような顔をするものではない。儂は腹が立って仕方がなくての。あいつら、帰って来てから自慢話ばかり。儂がひ孫の顔も見ずに我慢を重ねて一手に仕事して、ケヴィンの尻を叩き、騒乱の始末を付けたというのに、遊びに行っていた奴等ときたら!もう悔しくてな。」

「あの、ご家族に連絡は・・・」


「どうせ言わんでも、行き先は分かっておるだろう。いつもの副団長がおらんのだから。」

 う~ん、重症だ。


「でも、先祖祭は出ないといけないのでは?」

「もう、コーネリアスに任せようかな・・・」

これは至急、アーニャさんを呼ばなければ、私の力ではどうにもならない。


「しかし、彼奴もまだまだ甘いな。ロスリーの食を楽しみたければ、夏より圧倒的にこの季節だ。」

「まあ、ミネルヴァ様の学校もございますし。」

「あいつだ!あいつが一番嬉しそうに自慢しおって・・・まあ、可愛かったから良いが。」

「では、客室を準備させますので、ごゆっくりおくつろぎ下さい。」

「何だ、まだ仕事をするのか?」

 当然です。

 それよりアーニャさんを呼んで来なければ。


「では、ひ孫の世話はお願いします。レミリアもよろしく。」

「はい、お任せ下さい。」


 私は全力で逃げ、いやアーニャさんを呼びに行った。


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