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リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
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山本改めエルハバード企む

帝国歴243年7月9日


 あれから更に月日が経ち、6才になった。

 毎日体力づくりと読書、そして屋敷の使用人を相手に情報収集に明け暮れた今では「おしゃべりエルちゃん」と呼ばれるようになった。ちなみに、学校では長年「山モッチャン」と呼ばれ続けた。時代や生徒に関係なく・・・思えば随分昔の事のように思える。


 友達はいない、というか平民の子との交流はないし、他の貴族家ともあまり付き合いは無いらしい。まあ、父は戦場か帝都なので。それに中身は49才なのである。

 頭脳が大人な名探偵も、クラスメイトとは距離があった。ボッチもやむなしであろう。


 そして、私がこの夢を見始めたのは7月9日。つまり、この夢の住人になって丸6年経ったわけである。私の誕生日が夢でも現実でも2月9日。そして夢の世界では離乳期直前だった訳だ。まあ、目覚ましが鳴ったら令和5年7月9日なのだが・・・

 

 さて、それはそれとして、私にはこの家を没落の運命から救う、という目標がある。

 言い換えれば、金持ちになってもっといい生活を送りたいのである。


 方法としては、よくある異世界チートを使うのだが、幸いにして私には理科、つまり物理や化学の知識がある。論文こそ書かないが、一応学会員でもある。


 しかし、当家には資金がない。そこで少しづつ領地を改革し、飛躍の足がかりを得る必要がある。そのためには計画を立て、実行組織を作り、お金のかからない分野から順序立てて事を進めないといけない。しかも、ふんだんに時間がある訳ではない。どう見ても父は領地ほったらかしなのだ。


 そこで、お小遣いという名の自己資金で羊皮紙とペン、インクを購入した。

 父の書斎にあった物も勝手に拝借し、まずはどんな計画と手順、スケジュールとすべきかをまとめていく。文化祭や修学旅行を企画した経験が生きるはずだ。


 そう言えばコンクールの楽器運び、高橋のお父さんへの最終確認まだだったな。


 それはそうと、計画を立てていく。そしてこれが重要なのだが、父に内密に、そして子供がこれを実行しないといけない。唯一の強みは自分が貴族であり、父が居ない時に限っては、この領地で一番の権力者であること。

 しかし、子供の戯言で片付けられたらリンツ家一巻の終わりである。まず味方を作らないといけない。


 まあ、セバスだけど・・・


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