ゆったりしたひととき
いつも休日は一緒にお茶をいただいている。
「この季節になると、ようやくしのぎやすくなるよね。」
「そうですね。これから食べ物も美味しくなります。」
「子供も元気だしね。一番活発なのはトマスだっけ?」
「はい、誰に似たのか・・・」
「あなたに似たのですよ、アルマ。」
「まあ、奥方様。私はいつも物静かにしているというのに。」
いや、私もアルマさんに似たと思うよ・・・
「でも、みんな大きくなりましたね。」
「うん、一回り大きくなったし、少し重くなったのが分かるよ。」
「首が据わると、随分楽になるのでしょうけど。」
「みんな、夜泣きはしますが、起きているときは、とても機嫌がいいです。」
「まあ、元気だからね。それ以上は何も望まないよ。」
「しかし、すぐに次の子供が出来ると大変ですね。」
「それは3人で話し合いました。来年の3月と4月に子作りしましょうと。」
「あ、アルマ?」
「それまでに誰かがお子を授かったら、みんな頑張るということにもなりました。」
「そ、そうなの?」
「はい、みんな同い年で、一緒に学校に行くのが一番いいと思いまして・・・」
「ま、まあ、みんなで子育てが一番しやすい環境を相談したのなら、任せるよ。」
「ご主人様はやはり、お心が広いです。」
「さすがは旦那様です。アナタ、分かりましたね。頑張っていただかないと困ります。」
「わ、分かったよ。しかし、母は強し、とはこういうことをいうのでしょうか。」
「アナタ!私は強いのではありません。我が家と主家のためなのです。」
「そうですよ、ルーデル。母は強し、とは本来、褒め言葉として使うべき言葉です。」
「ルーデルさん、地雷踏みましたね。」
「これが地雷ですか、確かに言い得て妙ですね。」
「あら、私たちを地雷とは、何とも酷い扱いです。」
「アナタ、旦那様、正座です!」
「ローサ、お助けを。」
「申し訳ございません。私は非力なのです。」
「ああ、この世に神はいないのか!」
「いいえ、ご主人様。神はおります。ただ、お見捨てになられたのです。」
いやそれ、いないより酷くない?




