2月の定例報告
帝国歴253年2月
ついに、「星降る夜に」が校了したようだ。これから印刷工廠に持ち込み、木版の製作に取りかかる。
数ヶ月後には初版が完成するだろう。
まだ読んでいないが、どんな物語なんだろう?
また、職業技能研修制度が正式に発足した。
これは今まで完全な徒弟制度に依存していた人材育成を体系化し、さらに当家から補助を行い、研修期間の雇用を保障したものだ。
21世紀の外国人研修生に近いものである。
これももっと早く行っておけば良かった制度の一つである。
また、ガーゴイル地方の測量と製図も完了した。分かっていたことだが狭い。
約50㎢増加して3,424㎢になった。
まあ、その割に人口が6,000人もいるが・・・
オツテンブルクの石灰石鉱山も本格的に操業を開始した。
これはロスリーやサッツなどとは比較にならないほどの大規模な鉱山で、露天掘りが可能であるが、アクセスが悪い。
まあ、これでコンクリートや消石灰の心配だけはなくなった。
他には、帝国大学の調査で、マルチン=ユグノー北東部、もとい、帝国領ユグノーにおいて大規模な炭田が発見されたそうだ。
ただし、ほとんど人が住んでいない地域であり、採掘は困難とのこと。これは何とかしたい。
また、帝大には引き続いての調査を依頼した。
製紙第二工廠がイーラム近郊、ニルヴェ川沿いに完成した。
ここでは主に用紙を生産する予定。
これに合わせて、エル=ラーン国内からの木材輸入も本格的に開始する。
これによって木材不足がやや緩和するか。
また、同国内で土地を確保し、植林用の苗木生産も春から開始する。
作業員は現地雇用だ。
また、アスペル商会が、菓子原料の集積場所を帝都郊外に建設したそうだ。
セントラルキッチン方式は採らないが、こまめな配送による、鮮度の高い商品提供が可能になるだろう。
化学第5工廠では、ゴム製品の本格生産も始まる。
また、プラスチック製品としてメガホン、洗濯ばさみ、ハンガー、洗面器、ストローの生産も始めた。
こちらも原料全て天然素材のため、大量生産とまでいかないのがもどかしいが、売れ筋には違いないだろう。
さらに、精密機械工廠で拳銃と消音器、腕時計の生産が始まる。
これは少量受注生産で、基本は献上品であり、儲けを目的としたものではないが、こういう物を作れるということに意義がある。
その他、スーディルの第2次都市再開発計画策定も指示した。
正直、あの迷宮都市に手を入れる自信はないが、長年の懸案でもある。慎重に行こう。




