表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リンツ伝  作者: レベル低下中
第三章 家族編
524/1781

あらあらまあまあ

 今日は早めに仕事を終えてきた。

 私より有能な文官が3人も居るのである。普段はそれほど忙しくない。


「ああオルガさん、いつも掃除ありがとうございます。」

「まあまあ、お早いお帰りですね。奥方様も下でお仕事をされております。」

「そんなに無理しなくていいのにね。ローサは?」

「はい、午後は孤児院です。」

「みんな無理するねえ。」

「あらあら、心配ですか?」

「そりゃあ、安定期に入るまではねえ。」


「若旦那様はお優しくて、とても良いですね。奥方様もローサさんもとても穏やかで、良いお顔をされております。ありがとうございます。」

「そうだね、二人とも落ち着いたよね。見ているこっちも気持ちが落ち着くよ。」


「ローサさんが幸せになったのも、若様のお陰です。従者から妻、そして母に。生い立ちは不幸なものだったかもしれませんが、今のローサさんは、誰よりも尊い幸せを手に入れることが出来ました。本当に感謝しております。」

「オルガさんにとっても、孫みたいなものだから、生まれたら抱いて下さいね。」

「よろしいのですか?」

「ローサも喜んでくれると思います。」

「あらあらまあまあ。」

「何と言ってもローサの母です。これは私が保証します。私も、小さい頃は散々お世話になりましたし。」


「若旦那様は、とにかく物静かで、ほかの子供とは全く違うと思っておりました。今までなされて来た事も、他の人では到底できないことばかりでしたが、人を幸せにするという事においても、類い希な才をお持ちでございます。」

「オルガさん、褒めすぎだよ。」


「若旦那様ならきっと、ローサさんを幸せにして下さるものと期待しておりましたが、それ以上でございます。何より、若様が毎日楽しそうなことが、なおよろしいと思います。」

「まあ、とても楽しい事だけは確かだよ。」

「そこは、大旦那様とは大違い。」


「父は、まあそうですね。あまり褒められたものではなかったのでしょう。」

「でも、悪い方ではございませんの。ただ、人を知らず、自分の事にも無頓着で、周りから誤解されてばかり。」

 孫子の兵法なら全敗だな・・・


「でも、そんなに悪くなかったと?」

「はい、ですので大旦那様にも、お子ができたことを、お知らせください。」


 そうだった、すっかり忘れてた!

 まあ、遺伝だな・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ