表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リンツ伝  作者: レベル低下中
第三章 家族編
499/1781

スーディル到着

 船は順調過ぎるくらい快適に進み、予定より早く、14日午後に入港した。

 しかし大量の荷物を積み替える都合もあり、今夜はスーディル城に泊まることにした。


「叔父さん、コジマさん、ご無沙汰しております。」

「いやあエル、元気そうだね。それに噂には聞いていたが、これは綺麗な奥方様だねえ。それに、ローサ夫人も大きくなられました。」


「初めまして、ジョルジュ様。アナスタシア・ボーエンです。」

「お久しぶりです。ローサです。」

「まあまあ、ローサ夫人もご立派になられて。やはり長生きはするものですね。」

「コジマさんもお元気そうで、ローサもとても嬉しく思います。」

「何と言ってもローサにとっては命の恩人だからね。」

「それはお坊ちゃまあってのことですよ。」

「まあ、立ち話も何だし、入浴の準備も出来ているから、さあ、中へ。」



「それで叔父さん、新作の方はどうです。順調ですか?」

「ああ、悲恋物を書いているんだよ。もう、あらすじは出来ていてね。貴族家の対立の中で引き裂かれる若い二人の切ない物語だ。」

 それって、あの、ロデオとブリギッテじゃあないか!


「タイトルは星降る夜に、に決まっている。」

そんなドラマか映画、絶対あるよね!


「うん・・・楽しみにしてるよ。それと、叔父さんに頼み事があるんだけど。」

「嬉しいねえ。何でも言ってごらん。」


「一つは、妻たちの肖像をお願いしたいんだ。ウェディングドレス姿のもの。」

「いいねえ。二人とも絶世の美女だから腕が鳴るよ。明日からでもいいよ。」

「じゃあ、今度二人のお披露目をするから、その時にお願いするよ。それと、今度分家を立てようと思うんで、紋章を新たに作りたいんだ。」

「じゃあ、リンツ家の紋章をモチーフにするんだね。」


「う~ん、メドゥーサ、いや、グラッフェン神話でいうカーメラのデスマスクでお願いしたいんだ。全体のシルエットはリンツ家の盾、ヘビは鎖風に、そうすれば意匠は類似する。色は顔を白か銀に近い色、背景は灰色がかった緑でお願いしたいんだ。」

「そりゃまた個性的な・・・何も縁起の悪い物を使わなくてもいいんじゃない?」

「でも強そうでしょ?」

「そりゃあそうだが・・・しかし、お前の発想にはいつも驚かされる。きっと何か意味があるんだろうし、分かった。すぐに描くから期待しててよ。」

「ありがとう、叔父さん。」


 向こうの部屋ではコジマさんたちがキャッキャしてる・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ