キャラ変?いや素?
寮に戻った私は、早速リサに報告しました。
いつも私を心配してくれた親友は、とても喜んでくれました。
しかし、その後がいけません。
アルマと二人で散々弄られ、疲れ果てて部屋に戻ります。
でも、やっと静かな空間に身を置き、落ち着くと、今日起こったとても大きく激しい出来事が思い出され、感情が溢れてきます。
そして、今は信頼できる姉、アルマしかいないという安心感から、こみ上げるいろいろなものを、抑えることができなくなります。
「お嬢様、お疲れ様でした。今日は本当に、良く頑張りました。そしておめでとうございます。お嬢様の幸せは、このアルマの幸せでございます。」
「アルマァ!」
もうギャン泣きです。
あまりにも恥ずかしくて、他人にはとても見せられません。
アルマが止めなければ、誰にも止めることなどできません。
いつまで泣いていたでしょうか。
アルマはいつしか私の頭を撫でてくれていました。
「お嬢様、本当にようございました。本当に幸せを掴まれたのですよ。」
アルマも泣いておりました。
とても強い彼女が涙を流すのは、あの時以来でしょうか。
「アルマのお陰です。私が今、ここにいるのも、負けずに耐えられたことも、笑われても泣かなかったことも、幸せになれたことも、全部、全部です。」
「お嬢様はとてもお強いお方です。アルマはお嬢様を信じ、支え、尽くし、お仕えするのみです。そして、お嬢様の幸せを願い、共に喜ぶ者です。そんな私にとっても今日は9年間、待ちに待った最高の一日でした。」
「うん、私、頑張りました。」
「お嬢様、こちらへ。久しぶりに膝枕、いかがですか。」
「はい。ありがとう、アルマ。」
「こうしていると、幼い頃を思い出しますね。」
「まだ、旦那様に甘えんぼアーニャと呼ばれていましたね。」
「でも、私はもう、子供ではありませんよ。」
「いいえ、ミネルヴァ様やリーンマイヤー様と全く同じです。今日、お二人に抱っこと膝枕をして差し上げたばかりですので、間違いございません。」
「ウフフッ、アルマがそう言うなら降参です。私は甘えんぼアーニャです。」
「はい、そして、大変立派で自慢の主です。」
「それは、その、そのような褒め方をされると、照れてしまいます。」
「よろしいではございませんか。今のお顔は大変お可愛らしいと思います。明日からはエルハバード様にたくさんお見せして、笑い、楽しみ、甘えても、あの方なら必ず受け止めて下さいます。これからですよ、本当に幸せなのは。」
「ありがとう、アルマ・・・」




