久しぶりの登校
いつ以来になるのか。
まあ、お国の為に働いていたのだから、まさかこれで留年にはならないだろうけど、勉強は多分、諦めた方がいいよね。
唯一の楽しみはみんなに会えること。
アナスタシアさんや北部に加担した形のレイ君は特に気がかりだ。
教室は2年生用だけど、作りは同じだ。そしてこの学校は3年間クラス替えがない。
中に入ると、いつもの朝の風景だ。
「おっ!エル君!帰って来たんだね!」
「元気そうだね!怪我は無かった?」
「ようやくみんな揃ったよ!」
「レイ君、みんな、ただいま!」
いつもの4人、いつもの笑顔、うん、日常が戻ったんだな。
思わずハグとハイタッチ。
まあ、男子学生のノリですな。
「レイ君、戦場でお父さんに会ったよ。元気だから心配いらないよ。」
「うん、家はまだどうなるか分からないけど、まあ、頑張るよ。」
そして、真打ち登場。女性陣二人だ。
「あっ!エル君!久しぶり!元気そうじゃん!」
「・・・・・」
もう、アナスタシアさんは言葉も出ない様子。
いつもの7人が集まる。
「何だ元気じゃん!痩せてもないし。」
「ハハハ!またみんなで遊べるね!」
「何処行く、やっぱりお茶?」
「そ、その・・・エル君・・・本当に、良かった・・・」
教室で涙ぐむ。恐らく彼女が一番辛い日々を過ごしたのだと思う。
「うん、全くもって無傷で元気。危ない場面も一つも無し。無事解決だよ。」
「本当に・・・本当に良かった。ごめんなさい、私のせいで・・・」
「いや、本当に大丈夫だからね。気にしちゃだめだからね。」
「そうだよアーニャ。更にふてぶてしくなって再登場!みたいな感じじゃん!」
「授業で遅れてる所はみんなで教えるからね。」
「目指せ18番。」
それ、期首テスト受けてない人にとってはハードル高いじゃん。
「わ、私も精一杯、ご協力いたします。」
「そういや明日、剣術大会の予選だよ?」
「へっ?そりゃ、帰って来るかどうか分からない人は、登録されてないよね?」
「普通に名前出てたよ?」
「何ですとーっ!」




