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リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
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ここってもしかして、異世界?

 9月に入ると幾分過ごしやすくなる。

 昨晩は早く寝たので体調もバッチリ。


 これなら過去最高の状態で三者面談という戦場に赴くことができる。

 と、調子が良い時にはふと長年の疑問が頭をよぎる。


「結局、ここって明晰夢なのかなあ・・・」


 この手の話は死んだ後に神様に会って事情を説明され、チート状態で降臨できるというのが相場らしいのだが、私の場合はそれが一切無かったために疑問が解決できていない。

 トラックにも跳ねられてないから、異世界転生ではなく夢だ、という消去法で片付けるのも、科学の信奉者として何だか負けたような気がして嫌だ。


「しかし、異世界でした、というのは理科教師として認める訳にはいかない。」

 そう、そうなのだ。私を支える科学の力では説明がつかない。

 確かに四次元の概念はあるが、それは実在が証明されたものではない。

 某教授みたいに「科学で証明できない物は無い」とまでは言わないが、納得などしたくない。


「ただ、夢にしてはリアルな部分と夢なのに思うに任せない部分があるんだよなあ。」

 夢のくせに痛い、だるい、辛い、しかも万能感を感じるシチュがない。

 私は空を飛んだことすらあるのだ。夢の中なら・・・



「結局、どう考えてみても答えが出ないんだよなあ。」

 どうせなら「必殺!ファイナルフラッシュ!」とか、「ぬははは!我が聖剣ブラックサンダーを抜かせたのは貴様が初めてだ!」とか言ってみたかったし、男のロマン、ハーレム展開とかあってもいいじゃないか、とか思う。いや、恵利加ごめん・・・


 恵利加なら笑って許してくれるだろうが、舞は「だからお父さんのと一緒にしないでって言ったじゃない(怒)」なんてホントに言いかねないからなあ・・・

 夢だよ夢、おじさんのくだらない妄想なんだから許してくれよ・・・


「しかし、意識があるということは、少なくとも、死んではいないということだろう。夢であれば寝ているだけ、異世界なら・・・」

 いつもここで胸が痛くなる。ここでも大切な人はできたが、夢の向こう岸には守るべき家族がいる。もし夢から覚めたら笑い話で済むが、もしそうでないなら、いや、やめよう。


「寝る前の最後の記憶は・・・吉岡さんは今回の期末テストが少々振るわなかったですからねえ。城南高も視野に入れた方が、いや、これじゃあのお母さん泣くよな、ああもういいや、吉岡さんは明後日の予定だし、明日考えよっ。だったんだよなあ。」


 しかしこう思う。夢なら覚めて欲しい。

 でももう少しだけ夢を見させて欲しいと。

 そうして再び机に向かう。


「でも、仕事だけはどこでもあるんだよなあ。」


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