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リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
31/1781

失言製造機爆誕

 さて、本日はゴホーク炭鉱視察である。


 ゴホーク村はロスリーの北にある山間部で、直線距離なら近いが、道は川沿いで曲がりくねっている。

 行きはほぼ登りで5時間、帰りはほぼ下りで3時間もかかる。

 山また山の土地であるが、団長のおっちゃんの領地である。


「坊ちゃんに来ていただくのは初めてですなあ。」

「ゴホーク殿も普段は、ほぼロスリーに住んでおられますし。」

「旦那様も若いときに一度来たっきりじゃなかったかな。山鳥を捕まえて馳走したことを覚えとるわい。」

「父上は昔からあんな感じだったんですか?」

「まあ、不器用な御仁故、あんな感じ以外は無理じゃな。悪人ではないが、ワッハッハ!」

 今日も絶好調のようで何より。


「戦場でも?」

「あれほど上官の命令を聞かん人も珍しい。まさに糸の無い凧だ。止めるのに苦労したぞ。」

「ゴホーク殿も一緒になって暴走してたのでは?」


「ないない。さすがにあれは酷い。血風と異名を取る豪傑であることは間違いないが、あれは転げ落ちる岩だな。止まることを知らんし言葉も通じん。止めるのに必死で、一緒に悪ノリしようなんて気にはとてもならんかったワイ。」

 失言である。

 確かにそれは酷いとは思うが・・・


「着いたな、これがゴホーク村じゃ、随分人も増えたな。これなら税金の取り立てが楽しみじゃわい。ワッハッハ!」

 失言は続く。


「確かにゴホークには昔来たことがありましたが、人の賑わいは最早町と言ってもよい。」

「そうじゃろうそうじゃろう。これも坊ちゃんのおかげよ!笑いが止まらん!」

 そして採掘現場は、ここから人が見えるほど集落に近い。


「こんなに近くなんですか?集落がすぐそこに見えますが。」

「そうよ。昔から黒くて硬くもろい石があることは皆知っておったが、これがまさか金になるとはなあ。だいたい、石が燃えるなんぞ知らんかったわい。ほらあれ、人がまるでゴミのようじゃわい。ワッハッハ!」

 ついに言いやがったよ!失言オヤジ。


「ところで、鉱脈はどこからどこまでですかな?」

「おう、ずっと上からじゃ。しかし山の一番上の方は違う。穴を掘るのはもったいないが、露天では掘れぬ。どうしたもんかのう。」


「差し当たって、鉱脈がどこまであるかを知りたいので、行ける所まで掘り進めてもらえますか。それと爆発や火災の恐れがありますので慎重に、火気厳禁でお願いします。」


 今日は何かが爆誕したような気がするが、ここは火気厳禁なのでそっとしておく。


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