勉強の成果
年末試験の結果が発表された。
みんな現状維持である。
まあ、レイ君やノルト君はあれ以上上がる余地がないもんね。
圧倒的首席がいるし・・・
そんな中、注目の私は19番手に着けた。
堂々の上から1/3入りである。
私の友人たちやアナスタシア様の他に、シュタインバッハ嬢も一桁にランクインしている。
いや、前回も入っていたのかも知れないが、とにかく我らが2組は7名が一桁順位なのである。
どうやら1組は気もそぞろ状態で奮わないらしい。全て殿下が悪い。
そして試験が終わると冬休みが近い。
とは言っても年末年始しか休日が無いので、私やレイ君は帰省などできない。
「さて諸君、最初に説明していたとおり、学年末には皆、グループ課題研究をまとめてもらうことになる。提出は9月頭だが、油断しておざなりの成果を出す者が毎年いる。そうならないよう、今から準備を始めておくように。」
「先生!グループは何人までですか?」
「自信があるなら1人でもいいし、特に人数に制限はない。1組の者と組んでも構わない。」
「では、60人で一つの課題を作るのはダメですか?」
「エルハバード君、真面目に考えれば、自ずと答えは分かると思うが?」
いや、知らねえし!
「エル君、いくら何でも・・・」
「殿下となんて、とても無理・・・」
「で、どうする。」
「まず、お題目を決めないとねえ。」
「じゃあ、終業式までにみんなで一度集まって、それぞれ案を出そう。その中からみんなで選べばいいんじゃない?」
コンペか、それが一番揉めずに済むかな?
「いいねえ、みんな真面目に考えてよ。」
「それは、エル君にだよねえ。」
「いや、あれは真面目な質問だよ。みんなで悪だくみすれば可能なんだから。」
「もう、悪だくみって言っちゃったし・・・」
「でも、まだ10日あるから大丈夫だよね。」
「じゃあ、進捗状況を都度報告して、集まれそうならその日に決めよう。」
「了解、みんな、楽しみにしてるよ。」
「エル君が何を出してくるかをね。」
「いや、いたって常識的なものだよ、きっと・・・」
これも青春の1ページだよね。




