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リンツ伝  作者: レベル低下中
第二章 貴族学校編
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休日はお出かけ

 学校は月曜から土曜まで毎日ある。

 というかこの時代、休日という概念はない。

 いや、ほとんど無い。


 ただ、学校では日曜日が休講日となっている。

 毎日授業では、教師も授業の準備が間に合わないし、生徒の中には貴族家の当主だっている、はず。

 毎日勉強ばかりでは、何かと都合が悪いのも事実である。


 ということで、毎週日曜はローサとお出かけの日なのである。

 しかし、帝都がいくら都会だといっても、先進的な町ロスリーを知る者からすれば、物足りない。

 なんか、大きなロプスドールといった感じで、新鮮な驚きなど何もない。


 仕方が無いので、そこそこ高級街で食事したり、南通りに店を構えるロスリー商会に顔を出すのが最近の定番コースとなっている。



「こうして一緒に出かけるってだけで楽しいなあ。季節もいいし天気もいい。」

「本当に。私もご主人様とこうして歩いているだけで、とても楽しいです。」

「そうだよねえ。しかも仕事に追われることなく、ゆったりした気持ちでいられる。」

「ご主人様はいつもお忙しかったですものね。」

「セバス、無理してないかなあ。」

「そうですね。少し心配ですね。」


「こういう時の補佐役を用意しておけばよかったのかなあ。」

「大丈夫です。政庁の方々もおりますし、何かあればお手紙でご連絡されるはずです。」

「いや、セバスだからね。そこは無理しそう。」


「では、今度のお手紙で励ましになられてはいかがでしょう。」

「さすが、そういう心配りはローサだねえ、って、その手は何?」

「い、いいえ、な、何でも・・・」

 フフフッ、私も学習するのだよ、ローサ君。


「お昼はここでいい?」

「はい、ここはとても美味しいですから。」

 さすがローサ、こんな味でも決してけなさない。ホントにいい子!


「でも、さすがにロスリーのお料理は、まだこちらに伝わっておりませんね。」

「そうだね。食品加工工廠の製品が、まだほとんど帝都に出回ってないからね。」


「材料がないということですね。」

「うん、腐りやすいものも多いから、保存技術を上げるか、こっちに工場を建てないと無理だろうね。」

「それは少し残念ですね。あの味を、もっと多くの方に知って欲しいと思います。」

 ジョセフ、ヤン喜べ!


「そうだね。貿易が安定したら、帝都進出も考えるよ。」


 こんな感じで休日は過ぎていく。


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