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リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
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屋敷の昼下がり

「はい皆さん、休憩時間です。」

「ああああ!やっと休憩ね。働いた後はしっかり休憩取らないとダメよ。」

「しっかり働いたならね!」


「あらあら、今日も仲良しさんですこと。」

「ウルがいっつも意地悪な事言うんです。昔はお姉ちゃーんって甘えてばかりだったのに。」

「あの頃の自分をぶん殴ってやりたいわ。」

「アタシが代わりに殴って!」

「あんたたち、いい加減にしなさい!」

「そうですわよ、お休みの時まで元気を出さなくても、よろしいのですよ。」

「け、喧嘩はよくないです。」

 やっと休憩するようだ。



「オルガ、ローサがいなくなると、寂しくなるわね。」

「そうですね。マリアも若旦那様がいなくなると、お寂しいのでは?」

「ええ、生まれた時からずっとお世話させていただきましたから。」

「そうでしたね。私もローサちゃんはたった一人の娘ですから。少しだけ寂しいですわ。」

「そうねえ、ホントにいい子に育ったわねえ。」

「ええ、ですので、少し旅をさせてもいいのでは、と思いまして。若旦那様と一緒なら安心ですしね。」

「そうね、若様なら絶対大丈夫。でも、そう分かっていても、寂しいのよねえ。」

「マリア。3年したら帰って来ますわ。」


「オルガ、あんたも強くなったねえ。」

「いいえ、マリアや、お屋敷のみんなが居てくれたからこそです。」

「ふーん。てっきりアンタも帝都に行くかと思ったのに。」

「いいえ、私の一番大切なものは、ここロスリーにあります。若旦那様とローサちゃんがいない間、私はここでお留守番をすることに決めておりますの。」


「そうねえ、この屋敷も、この街も、とてもいいものねえ。」

「ええ、心やすらぐ、とってもよい場所になりました。」

「あの二人のおかげだねえ。」


「あと、皆さんの。私は特にマリアに感謝しておりますのよ。」

「ありがとさん。なあに、大したことは何もしちゃいないよ。」

「いえ、私の大切で頼りがいのあるお姉さんです。」

「アイリーンみたいな?」

「うふふっ、そうですね。ウルさんもアイリーンさんがいないと、とっても寂しそうですから、同じですね。」


「そう言ってもらえると、嬉しいねえ・・・」


 そうして静かに過ぎる、夏の昼下がり。


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