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リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
259/1781

私もみんなも全力疾走

帝国歴249年4月



 とにかく急に忙しくなった。

 全ては陛下が悪い。

 そういうことにしておこう。

 何か気ぜわしいし、みんな焦ってるし、大変申し訳ない。


 まず、旧シュバイツァー男爵邸跡地にロプスドールの支庁が完成した。

 オルガノ同様、5名を配置し、ロスリーからの指示に従い、各種調査を行うことになる。

 この敷地内に私たちが逗留するための小さな館も併設した。

 また、2市で評議会選挙に向けた発足協議会を設立した。


 帝国銀行もロスリー政庁向かいに落成し、来月1日からの営業となる。

 スーディルの商業振興銀行も正式に進出が決まった。


 建設面では、エッセ川とアイヒ川で新しい橋の建設が決まった。

 そして、両河川の河口付近の低湿地帯を中心に水田開発を目的とした開拓事業をスタートさせた。


 また、ロプスドール城でも用地取得が始まった。

 スーディルの上下水道整備が計画上は終了し、地勢的に周囲と隔絶しているウスターとニーウェイ間を結ぶ新道路建設と道路保全用の海岸堤防建設も決めた。


 また、サッツ、ウスター、ゴホークの診療所が開業し、へワークでも完成した。

 そしてロプスドールとオルガノの市民病院とトレド、アッサムの診療所建設も始まる。


 学校もサッツ、ゴホークで今年9月の開校が決まり、児童募集が開始された。

 同じくウスター、へワーク、ヒューイでも建設が始まっており、再来年度開校を目指す。


 南大陸貿易船が運航を再開し、2隻目の建造を造船工廠で継続中。

 東大陸航路用の外輪船も民間工場で建造が始まった。

 さすがのエネルでも資金的に厳しいため、当家が融資している。


 今年度税徴収額も確定し、1億8400万ディリとなった。

 もう使い切れないレベルである。

 このため、各種基金のうち、奨学金2千万、医薬品購入補助3千万、孤児育英2千万、企業団予備費1千万ディリを早急に積立てるため、商業振興銀行に口座を新設した。

 もちろん、帝国銀行はこのことを知らない。


 人口も13万人に迫っているとの情報もある。

 隣接するエルリッヒ領やガーゴイル地方からの移住者が多いようだが、それ以外の東部地方各地からも、若干ながら移動してきているようだ。


 測量も誤差修正の計算が終わり、旧領については製図が完成した。


 農業試験場では、牛の新品種ができそうである。

 まだ成牛まで育成し、兄弟や子を増やした上で味見し、遺伝形質というか品質が安定したと認められるレベルに達しないと何とも言えないが、有望らしい。

 豚についても引き続いて行っており、第二温室の建設が始まった。


 水産試験場では今年もアコヤガイの核入れが始まる。


 まあ、とにかくブラック度マシマシの忙しさである。


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