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リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
22/1781

予算編成に着手する

帝国歴245年5月



 この世界の年度は、9月に始まり8月に終わる。

 なぜ、私の夢なのにこういう所融通を利かせてくれないのか、自分に腹が立つ。


 ただ、前年度に徴収した税を次年度に使うシステムは大変良い。

 これが、入った横で使うシステムだったら、先の予定が立たずに立ち往生必至であった。


 ということで、昨年9月から徴収員が頑張って集めてくれた金額が確定した。

 何と1207万5200ディリ。感覚的にはざっくり1ディリ10円くらいなので、1億2千万円が年間予算である。

 これが多いか少ないかを論じても仕方ないので予算編成してみる。


 まず、債務返済に550万ディリを充てる。

 人件費と私の生活費に520万ディリ、これらは昨年度とあまり変わらない。

 残りで農林畜産試験場建設とリンツ土木商会設立を行い、わずかに残った金額は、予備費として残しておくことにした。


 どうやらお茶は無理だが、たまには白湯以外の物も飲めそうである。

 いや、白湯以外の飲み物って何?


「あれだけ計画は緻密なのに、予算はざっくりしましたなあ。」

「細かく決めようと思ったけど諦めたよ。」


「毎月の収入については、どういう扱いにしますか?」

「一応、企業設立までは歳入扱いで一般会計の口座に入れ、適宜使うということでどうだろう。」

「ええ、何だか難しく考えても、結果にあまり影響がないような気がしてまいりました。」


「後は使役事業の計画だけど、市民から要望来てます?」

「やはり道路は好評のようです。あまり高度な技術も必要ありませんし、家から作業現場が近いので皆賛成しそうです。」


「他に変わったことはあった?」

「はい、また奥方様から督促がございました。」

「うん、異常なしだね。」


「ところで、土木商会設立ということですが、いきなり事業を行うのは人材的にどうかと思います。」

「そんな複雑な会社組織は考えていないよ。時間的余裕もないし。ただ、道路建設を通年で行いたいし、技術力が上がれば水道や堤防建設にも着手したい。そして、会社が軌道に乗ればロスリー商会かエネル商会に売却してもいい。会社の存続期間は10年の限定で、民間でできることは極力民間に任せたい。」


「なるほど、つまり小さく始めて自主運営が出来るようになれば、伯爵家の事業を受注させつつ、少しづつ手を離していくのですね。」

「そ、そうだね。セバスは何て切れ者なんだろう。」


 いや、予算同様、そこまで見通していた訳じゃないよ・・・


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