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リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
218/1781

浦島さん

帝国歴248年7月



 「かさじぞう」のおじいさんから脱したと思ったら、今度は、浦島のおじいさんになってしまった。

 この3ヶ月くらい竜宮城にいたために、外部の情報が遮断されていた。

 果たして、現実の世界では何年経ってしまったのだろう。

 いや夢の・・・

 ああ、もうどうでもいい!仕事の報告だ。


 まず、論功行賞案を決めた。後日発表する。

 旧シュバイツァー領の計画策定作業を指示し、政庁も忙しさを増した。

 なお、旧はあんまりなので、正式にシュバイツァー地方と呼ぶことにした。

 男爵も名前が残って満足だろう。


 商店街も第7期工事を行っている。

 次で終了し、今度は屋敷の新築と印刷工廠の建設に取りかかる。

 年内には起工したい。


 戦の終結と同時に、滞っていたスーディルの上水用水道橋の建設もスタートした。

 また、上水道管を敷設した箇所から、道路舗装も開始している。

 そして、大変遺憾ながらストロベリーチョコの生産も始まっていたし、秋小麦の収穫も始まる。

 さらなる改良に期待がかかる。


 いつの間にか貿易船も東大陸に向け出港していた。見送りたかったのだが・・・

 そして、デザイナー軍団と紡績・縫製工廠の初コラボ、庶民用既製服の本格生産も始まり、帝都への本格進出の機運も高まってきた。


 ロスリー大祭と秋の収穫祭についても、企画が決定している。

 今年こそ花火が打ち上がる。

 また、双方の違いも鮮明に打ち出したので、これからそれぞれが独自の発展をするだろう。

 また、学校では運動会の開催も決まった。

 こちらも新たな秋の風物詩となるだろう。


 測量隊による領地周囲測量の製図については、閉合誤差が予想通りかなり大きく、この計算にうんざりしたのか、シュバイツァー地方の測量に勝手に行ってしまった。

 結局、山あり谷ありの場所を、良くてコンパス測量、初期は何だかよく分からない機器で測定し、しかも膨大な測点数であったことから、精度に期待はできないと思っていたが、計算上は1/186だったそうな。つまり186mごとに1mの誤差が出る程度のものらしい。


 大変残念であるが、それに基づいて建物を立てる訳では無いし、それなりに使える鳥瞰図は出来るだろう。


 あとは、セバスチャンに初孫が誕生するのだそうだ。


 本当に、いろいろ盛りだくさんである。


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