表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
214/1781

戦いは終わる

 その後、宰相名の裁定が下り、シュバイツァー男爵は他領侵害と私闘を行った罪により領地が没収され、その領地は、今回の戦功として当家に下賜された。


 また、賠償金は5,000万ディリと半減したが、領地を喪失したシュバイツァー男爵側の支払い能力を考慮したものであり、これを受け入れた。


 その交換条件として男爵はダイエットに成功し、帝都に去った。


 この裁定を受け5月末、リンツ軍は旧領都ロプスドール入りし、6月1日に併合宣言を行い、正式に施政権を得た。

 しかし、統治能力を失ったシュバイツァー領は、今後、当家に大きな負担としてのしかかって来る。



「さて、旧シュバイツァー家臣団の挨拶も済んだし、ロスリーに帰ろうか。」

「そうですな。しかし、戦も交渉も実に鮮やかでしたなあ。」

「何せおしゃべりエルちゃん、だからね。」

「ガッハッハ!何とも痛快でしたぞ。それに遺族に謝罪させられる男爵の顔。あれは傑作でしたしなあ!」

「何より、住民が家に戻れることが一番良かったよ。」

「そうですな。」


 まあ、個人的には、保護者に吐きたい台詞第一位~十位くらいまで言えたことだけど。

 そんなことを考えながらロスリーに向かう。


「お帰りなさいませ、坊ちゃん。」

「坊ちゃま。お怪我の具合、いかがですか?」

「ありがとう、セバス、マリアさん。このとおり元気だから。」

「坊ちゃま・・・」

 いつの間にか、夏といっていい季節になったもんなあ・・・


 そして、少し落ち着いた夜、ローサを自室に招く。


「呼んだのは他でもない。お礼を言いたくて。」

「お礼・・・ですか?」

 例のペンダントを取り出す。


「これが矢を防いでくれたおかげで命拾いした。この傷は、私の命と引き替えに刻まれたものだ。私が助かったのはローサのおかげだよ。本当にありがとう。」

「い、いえ・・・お役に立てたのであれば、嬉しいです。」


「肌身離さず持っていて良かった。もちろん、これからもそうするつもりだよ。」

「神のご加護だと思います。でも、ご無事で本当に良かったです。」

「ありがとう、本当にありがとう・・・」


 もうそれ以上、言葉が出て来なかった。

 そして彼女と抱き合い、再会できたことを喜んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ