周辺の国々
中央大陸には、大小40以上の国家がひしめいているが、5大国と呼ばれる大国は大陸の東端と西端に集中し、中央は小国が分立している。
この中で、特に帝国と関係の深そうな国を紹介する。
マルチン=ユグノー王国は南を帝国、東をエル=ラーン王国と接する。
元々マルチンとユグノーの二つの王国が合併して成立した連合国家である。
かつて帝国の前身であるグラッフェン王国がグデーリアン王国を降して併呑した際に、新たに国境を接することになった両国が歩み寄った形だ。そのため伝統的に帝国と敵対している。
国土の北半分は亜寒帯に属し、総人口は約700万人、王都はダリア。総兵力20万を擁する軍事国家である。
エル=ラーン王国は南西部を帝国、北西部をマルチン=ユグノーと接する南北に長い国土を持つ。
建国約120年と比較的新しい国家だが、その歴史のほとんどでどこかと戦争している。
帝国も30年ほど前には戦争状態にあったが、現皇帝が親エル=ラーンを掲げて即位し、現在は同盟関係にある。
そして現在は、東に隣接する教皇国や中部諸王国連合と交戦中である。
人口は約1100万人で王都はテーレ。
この国の王都を流れるテーレ川は我が国の帝都にも流れている。
なお、王都を流れるもう一つの大河であるシノ川の河口は、帝国の東側国境を形成している。
イシュファハーン王国は、帝国南西部に隣接する帝国の属国である。
初代皇帝の弟シオンが大公に任ぜられ、この地を領したのが始まり。
人口約80万人の小国であり人種、言語とも帝国と全く同一である。
サン=マルコ皇国は、エル=ラーン王国北東部に隣接する中規模国で、大陸の2/3に影響を及ぼす神聖教の総本山がある。
その教皇が国家元首であり、一般的には教皇国と呼ばれる。
宗教的権威により国家が運営されており、その力は広く他国に及ぶ。
ちなみに、現在戦争中のエル=ラーン王家は破門されており、どちらも負けられない泥沼の戦争となっている。
最後に商業ギルド国であるが、貨幣経済の急激な浸透により力を付けた商人たちが、政治的権威の影響を嫌って国家を建設したもので、まだ建国30年余りの若い国である。
有力商人から選定された評議員の互選により王が選ばれる所は古代ローマ風だが、実際の政治体制は、加賀一向一揆に近いのではないかと思われる。
周囲は全て中部諸王国連合加盟国であるが、この国は所謂永世中立の国であり、戦力のほとんどが傭兵という所も、かなり異質な国家である。
また、建国に当たって当地が選ばれた理由は、天然の良港の存在、山がちで農業に不適だったため、強力な国家が存在しなかったこと、造船用木材が豊富に産出されたことなどが挙げられる。
経済が軍事に並ぶほどの影響力を示し始めた状況の中で、商人に手を出すことが周辺国でも難しくなってきているため、今や不可侵の存在になりつつある。
また、航海術が他国を圧倒しており、大陸間貿易は独占状態となっている。
その他、エル=ラーン王国の東には中部諸王国連合と呼ばれる8カ国の連合体がある。
いずれも小国であるが、ここにはかつて統一国家があり、このため民族や文化的には非常に類似している。
さらに大陸中央部には多くの国家があり、その東には神聖教以外の宗教を国教とする国や、騎馬民族が支配する大国があるようだ。




