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リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
20/1781

エルハバード、春になって活動が活発化する

帝国歴245年4月


 ロスリーの春は早い。

 しかし、時間の経過も同じように早い。

 エルハバードも外に出る機会が増え、各地で精力的に動く。


 まず、9月からの関所通行料の半額化と税率の現行4割から3割への引下げを発表し、領内各地で触れ回った。

 他領には、商人が自然に広めてくれるだろう。


 次に、ロスリー商会の帝都及び商業ギルド国への交易調査団が出発した。

 更に、政庁職員採用一次募集を開始した。お金は無いが、見切り発車である。


 職人の技術向上も順調で、ガラス管やレンズは試作レベルに達している。

 苦戦しているのはコークス製鉄で、施設の強度や作業の安全確保が難しい。

 金属加工については、金型の精度が全て、みたいな所はある。


「しかし、もう半年が経ったのですな。」

「早かったね。でも明日は硫黄が届くし、ガラスや金属産業が軌道に乗れば、もっと早く領内は変わるよ。人も金も一気に集まり出す。」


「し尿回収システムも本格的に始まりましたな。」

「堆肥はまだ完成してないけど、使い始めると農家の目の色は変わると思うよ。」

「しかもタダですからな。」


「後は、東大陸と南大陸との貿易がしたいな。せっかく港はあるんだし。」

「しかし、外洋航路はそれこそ商業ギルドが独占していますが。」

「それは他に競争相手がいないだけで、参入してはいけない決まりはないと思うよ。まあ、通訳の確保は必要だけどね。」

「既に他の大陸の物産で、欲しい物を見繕っておられるのですか?」


 既に国内で流通しているものであれば、胡椒と茶、砂糖は欲しい。

 そして、必ずあるはずの物としては唐辛子、米、蕎麦、トウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモ、トマト、昆布、海苔、バニラ、コーヒー、カカオ、天然ゴム、アブラヤシ、シアバター、アコヤガイなど、ほかにも宝石や酒など、輸入すれば間違いなく利益の出る商品が目白押しなのだ。

 更にあわよくば原油、せめてコールタールでも発見できればと思う。


「まあ、ギルド国に利益を持って行かれるのも避けたいが、何より国際的な緊張や輸送依頼拒否などの外的要因で事業が滞るような事態はあらかじめ避けたい。それに、他国の者であっても技術者として招聘したい。」

「ほかの大陸出身者をですか。」

「来てくれる人がいるならね。」


 やるべきことが次々に浮かんで、妄想は止まるところを知らない。


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