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リンツ伝  作者: レベル低下中
第七章 晩年編
1763/1781

大園遊会

 次の日、屋敷のメンバーの尽力により、屋敷の前庭に盛大な会場ができた。


 まだ春先なので、決して暖かくは無いが、みんな文句言わず集まってくれて、本当に有り難い。

 アルベール陛下夫妻、アマーリア殿下夫妻、ボーエン公爵家一同、エルリッヒ侯爵夫妻を始め、アル君達、ゲルやギュンターのおっちゃん、ブリギッテさんやジョセフさん、サラさん、コリンナさんたち。

 もう訳が分からないくらいの人が揃った。


「いやあ、こんなに働くゲルは初めて見た。」

「あっしも、お隠居様に働いているところを見つからないように、いつも努力してたんでさあ。」

「お主の頑張っておるところなど、ジョセフの店で飲んどる時以外、見たことないわ。」

「まあ、それにしても、エルフリーゼさんたちには頭が下がりますよ。」

「いえ、このくらいは当然です。」

「それに、ティエリーさんやディルクさんまで来ていただいて。」

「私たちも、あれから腕を上げましたからね。」


「それでは皆さん、絵の準備ができるまで、しばらくご歓談下さい。」

「お酒はありますが、絵を描くまで飲み過ぎないよう、お願いします。」

「ご隠居様、今日くらいはお酒を召し上がられても、よろしいのでは?」

「じゃあ、少しだけ。それにしてもパウロ、白髪増えたねえ。」

「ティアラにも良く言われます。でも、あるだけマシですよ。」

「私の方を見て言わないで下さい。」

「そういやヤンさん。いつの間に・・・」

「さあ、絵の準備ができました。皆さんエルの周りに集まって下さい。」


 みんなぞろぞろ集まる。何か私の膝の上にはコレットさんとこのマリアちゃんが、アーニャさんの膝の上にはアナスタージウス様のとこのエーレンフリート君が乗っている。

 後ろは陛下や殿下達、超偉い人が椅子に座り、三列目は立っている。本当に現代の記念撮影だ。


「セバスは、きっとこんな気持ちだったんだろうなあ。」

「そうですね。あの時よりたくさんの方が集まっておりますよ。」

「エル。ちょっと困ったことになってるんだが、いいか?」

「何、叔父さん。」


「どうやっても入らん。2度に分けてもらっていいか?」

「エル君、百人以上います。さすがに一枚に収めるのは無理でしょう。」

「うん。叔父さんの描ける範囲でお願い。」

「それとなあ、二日に分けていいかな?」

「うん。頑張るよ。」


 結局、三日がかりだった。


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