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リンツ伝  作者: レベル低下中
第七章 晩年編
1750/1781

先代様会

 1月に入って、マイヤー家一家が領地に帰った。


 ルーデルさんは、今のところは引き続き執事長を続け、政庁の業務も行ってくれるものの、徐々に自分の時間を増やしていくだろうし、いずれ執事の仕事もシュテファンに任せて引退する時が来るだろう。


 今日はそんなルーデル夫妻を加え、気楽なメンバーでお茶を飲んでいる。


「このメンバーも、最近は少なくなってたねえ。」

「子供が産まれるまでは、いつもの光景でしたのに。」

「でもルーデルさん、お疲れ様。」

「ありがとうございます。これも全て、ここにおられる皆さんのお陰です。」


「トマスも立派になりましたね。」

「はい。幼い時はとてもヤンチャで、主人を持つ者としてどうなのかと心配でしたが、あれはアルマの教育とメリッサお嬢様のお力が本当に大きかったと思います。」

「今や立派なフェネトの主だね。」

「多少、メリッサに甘すぎるとは思いますが、子煩悩そうですし、大丈夫ですね。」


「それに、素晴らしい妻と知り合えたのも、栄えある辺境伯家の執事長を長年お任せいただいたのも、爵位と領地までいただいた事も、本当に感謝の気持ちで一杯です。」

「そうです。私は大奥様と一緒にいられれば、それで満足でした。でも今は、満足以上の幸せをいただいております。本当にありがとうございました。」

「私も、二人のお陰で本当に助かったよ。やはり、優秀な人材あってのリンツ家だ。」

「そうですね。優秀な上に、皆善良なのがリンツ家です。」


「ところで、ルーデル様とアルマ様の夫婦円満の秘訣は何でしょうか?」

「いや、ローサ奥様、私たちも結構アレですが、皆様方にはとても敵わないと思いますよ。」

「そうです。わ、私たちは普通ですよ。そうです。いたって普通ですわ。」

「そう言えば以前、シュテファンも両親は相当アレだと聞いたことがございますわね。」

 アーニャさん。だいぶ都合良くご記憶されているのでは?


「まあ!シュテファンがそのようなことを。あの子には常日頃から夫婦生活の大切さをあれだけ説いてきたというのに、あの歳でまだ理解できていないなんて、嘆かわしい。」

「まあまあアルマ、あの子にはあの子なりの考えがあるんじゃないか?」


「いいえ、トマスはまあ及第点です。でもシュテファンは0点です。オーではありません。ゼロです。」

「まあ、またアルマがあらぬ方向に走り始めましたわ。」

「アーニャさん、今すぐ何とかした方がいいよ。」

「いくら私でも・・・無理ですわ・・・」

「ええ・・・」


「帰って来たら説教です。今夜は寝られないと覚悟しなさい!」

「アルマ、まさか私も付き合うんじゃないだろうね。」


 シュテファン、ホントゴメン!


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