ローサ、○○になる
「ローサ、誕生日になったね。おめでとう。」
「ご主人様、分かっておりますから、歳は言わないで下さいね。」
今日は11月1日。彼女の誕生日だ。
言うなというから言わないが、半世紀の大台に乗った。言っちゃった・・・
「ローサの誕生日は、初めて会った記念日でもある。」
「そして、幸せを掴んだ記念日でもあります。一年は365日もありますが、これほどいろんなものが凝縮された日は、他にございません。」
「そうだね。そんな大切な一日の始まりだ。」
「はい。今日も一日、よろしくお願いします。」
「そうだねえ。今日もいろいろ考えてはいるが、まずは少しゆっくりしよう。」
「はい、畏まりました。」
彼女とベッドの中でグダグダする。
屋敷が活動を始めるまで、まだ十分な時間がある。
「ご主人様の頭ナデナデはもう、ベテランの域に達してしまいましたね。」
「ああ。私は仕事よりも何よりも、頭ナデナデの上達に情熱を注いできた。最早、私は人の域をを越えてしまったかも知れん。」
「では、その素晴らしいナデナデを堪能しますね。」
「これからも仲良しでお願いね。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。それにしても、静かで穏やかな朝ですね。」
「そうだね。ローサと居るこの時間が何よりも好きだよ。これは40年、変わらない。」
「言ってしまわれました・・・」
「ごめんなさい・・・」
「いいえ、より幸せを噛み締められたから、いいのです。」
「許してもらっちゃった。」
「はい。全然怒ってません。」
「ローサが怒ったところなんて、見たことないよ。私なんかでは無理なんだろうね。」
「はい。無理ですから、試さないでくださいね。」
「今日一日、頭ナデナデし続けたら、さすがに怒るかな。」
「あの、おトイレには行かせて下さい。それと、フローレンスが来るまでですよ。」
「無理じゃ無いか。まあ、無理だけど・・・」
「ご主人様といると、いつも楽しいです。今日はずっと甘えますね。」
「いいよ。今日のためにいろいろ準備してきたから。全力で来てよ。」
「はい。そろそろフローレンスも起きますね。」
「そういや、あの子も朝、早かったね。」
「ええ、修道院行って、更に磨きが掛かっているようですよ。」
「じゃあ、そろそろ準備するか。」
また、明るい一日が始まる。




