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リンツ伝  作者: レベル低下中
第七章 晩年編
1737/1781

ローサ、○○になる

「ローサ、誕生日になったね。おめでとう。」

「ご主人様、分かっておりますから、歳は言わないで下さいね。」


 今日は11月1日。彼女の誕生日だ。

 言うなというから言わないが、半世紀の大台に乗った。言っちゃった・・・


「ローサの誕生日は、初めて会った記念日でもある。」

「そして、幸せを掴んだ記念日でもあります。一年は365日もありますが、これほどいろんなものが凝縮された日は、他にございません。」

「そうだね。そんな大切な一日の始まりだ。」

「はい。今日も一日、よろしくお願いします。」


「そうだねえ。今日もいろいろ考えてはいるが、まずは少しゆっくりしよう。」

「はい、畏まりました。」

 彼女とベッドの中でグダグダする。

 屋敷が活動を始めるまで、まだ十分な時間がある。


「ご主人様の頭ナデナデはもう、ベテランの域に達してしまいましたね。」

「ああ。私は仕事よりも何よりも、頭ナデナデの上達に情熱を注いできた。最早、私は人の域をを越えてしまったかも知れん。」

「では、その素晴らしいナデナデを堪能しますね。」

「これからも仲良しでお願いね。」

「こちらこそ、よろしくお願いします。それにしても、静かで穏やかな朝ですね。」


「そうだね。ローサと居るこの時間が何よりも好きだよ。これは40年、変わらない。」

「言ってしまわれました・・・」

「ごめんなさい・・・」

「いいえ、より幸せを噛み締められたから、いいのです。」

「許してもらっちゃった。」

「はい。全然怒ってません。」


「ローサが怒ったところなんて、見たことないよ。私なんかでは無理なんだろうね。」

「はい。無理ですから、試さないでくださいね。」

「今日一日、頭ナデナデし続けたら、さすがに怒るかな。」

「あの、おトイレには行かせて下さい。それと、フローレンスが来るまでですよ。」

「無理じゃ無いか。まあ、無理だけど・・・」


「ご主人様といると、いつも楽しいです。今日はずっと甘えますね。」

「いいよ。今日のためにいろいろ準備してきたから。全力で来てよ。」

「はい。そろそろフローレンスも起きますね。」

「そういや、あの子も朝、早かったね。」

「ええ、修道院行って、更に磨きが掛かっているようですよ。」

「じゃあ、そろそろ準備するか。」


 また、明るい一日が始まる。


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