表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リンツ伝  作者: レベル低下中
第七章 晩年編
1726/1781

企業団の発展

「ご隠居様、こちらが最新の製品リスト、最終人事案、決算試算表となります。」

「相変わらず早いねえ。政庁の何倍も業務量あるのに・・・」

「いいえ、事務職員を5名も増員いただきましたので、今年は非常にスムーズに業務が進捗いたしました。」


「製品リストは増えたねえ。」

「ええ、ロスリー商会やアスペル商会との製品企画会議や消費モニター制度の効果です。このようなことを思い付くご隠居様は、やはり凄いと思います。」


「いや、私はサラさんのとんでもない頭脳の方が凄いと思うよ。それで、人事はそんなに大きなトピックがあったっけ?」

「ええ、昨年末に発覚した、レーゼル製紙工廠の横領事件による処分に伴う人事が、今年のメインとなります。」

「ああ、そういやあったねえ。それで?第二製紙からの補充が多いね。」

「はい、工廠長や班長など、幹部職員6名を解雇しましたが、やはり公爵領では、これに代わる人材もなかなかおりませんし、領内製紙工廠からの昇任を軸に対応せざるを得ないと考えました。」


「レーゼルには化学工廠と食品加工工廠もあるから、幹部ならやり繰りできたんじゃない?」

「はい。ただ両方の工廠幹部も派遣年限になっておりましたので、領地に帰さざるを得ませんでした。残念です。」

「じゃあ、レーゼルの団地は工廠長総入れ替えなんだねえ。分かった。了承するよ。」

「良かったです。安堵しました。」


「そうだね。人事って、これだけ人がいるのに、現ポスト在席期間や本人の希望、適性、職位、公平性や今後の育成まで考えると、信じられないくらい選択肢がないからねえ。一人コケると全体が行き詰まる。」

「そうなんです。ダメ出しされたらどうしようかと思いました。」

「サラさん優しいから、人事だけは苦手っぽいね。」

「苦手なものは、たくさんございますよ。」


「そうかなあ。仕事も家庭も子育ても、ちゃんと結果出してるじゃないか。デリアさんとアルバン君なんて、将来どうなっちゃうんだろうってくらい末恐ろしいよ。」

「ありがとうございます。それと、これが決算予測です。」


「これは文句なしに得意分野だね。うん。これはアーニャさんにお任せ。」

「ご隠居様はもしかして、数字は苦手ですか。」

「う~ん、アーニャさんには敵わないよ。化学は大好きなんだけどね。」

「そうなのですね。安心しました。」


「私は欠点だらけの人間だよ。サラさんなら安心しきってても問題ないと思うけど。」

「いいえ、私から見たご隠居様は完璧です。」


 私は、しばしばこういった過大評価をされる・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ