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リンツ伝  作者: レベル低下中
第七章 晩年編
1723/1781

メリッサとベアトリクス

 今日は親子でお買い物。帝都では入手困難な物だって、ここでは比較的容易に手に入る。

 いや、店主の押し売り攻撃に耐えられるなら、だが・・・


「おおっ!メリッサちゃん、いいとこ来たねえ。果物買ってかない?」

「まあ、もう夏の果物が出てるのね。じゃあじゃあ、こっからここまで全部!」

「へいっ!毎度ありっ。さすがは全部買いのメリッサちゃん。豪快さは健在だねえ。」

「メリッサちゃん!店番頼んでいいかい?」

「は~い!客寄せ名人メリッサちゃん参上!」

「アンタッ!ダメよ。タダ売りのメリッサちゃん、忘れたの?」

「おばちゃん、それ昔の話よ。もう数字の計算くらいできるんだから。」

「じゃ、じゃあ、お願いしようかしら・・・」


「ジャーン!美人親子コンビ、メリッサ&ベアトリクスよ。コンビ誕生を記念して、こっからここまでの品、ぜ~んぶタダ!タダよ!さあ、いらっしゃい!」

「おおっ!さすがはメリッサちゃん。商売上手!」

「うわぁ、ウチの店、もう終わりだぁ~」



「あ~楽しかった。やっぱり、お仕事すると気持ちいいね。」

「はい、お母様。何か、少し悲しいお顔の方もおられましたが。」

「気にしない気にしない。みんな、明日になればケロッとしてるんだから。」

「でも、皆さん活気があって、とても良い雰囲気ですね。」


「そうよ。この街の人たちは、お祖父様が一生懸命お仕事をして、綺麗な町を作って、そこで楽しく暮らしてるのよ。ベアはここよりもっと大きな帝都を、同じように綺麗で元気にするために偉くなるのよ。」

「はい。」


「本当は、お母様も寂しいの。ベアのこと大好きだから。でも、ベアは私と違ってお利口さんだから、偉くなるチャンスがあるの。だから、絶対に負けちゃダメよ。」

「はい。お母様。大好きです。」


「うん。ベアはとってもいい子ね。アウレリアちゃんがいろいろ助けてくれるから、何かあったら一緒に頑張るんだよ。それでも辛い事があったら、お父様とお母様に知らせるのよ。絶対に、何があっても助けに行くからね。」

「はい、お母様。ありがとうございます。」

「じゃあはい、これ。」


「まあ、これは綺麗なイヤリングですね。とてもお高いものではないのですか?」

「うん?それは分かんない。さっき宝石屋さんでもらった物だから。お揃いだよ。」

「お母様、それはきっと、後で執事様がお支払いするのだと思います。」

「あら、宝石屋さん、意外にケチんぼさんなのね。」


 商店街の天敵、昔からいたんだ・・・


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