アルマさんが離脱して・・・
さて、トマスから、アルマさんが屋敷で休んだことを聞いた。
「もう、アルマったら、一週間くらい頭を冷やしていればいいのです。」
「まあ、頭は冷やした方がいいな。物理的に。」
「鼻血が出ていらしたですから。でも、楽しそうでしたね。」
「でも、アルマさんから評価されたのは正直、嬉しいよ。」
「まあ、彼女はいつも忖度無しの評価をくれますからね。」
「私たちも、ご主人様には忖度抜きで感謝しております。」
「私もです。これほどの幸せを、これほどの長い期間、お与えいただいて、今でもその幸せが続いていますからね。」
「それで102回目の話をしてたの?」
「まあ、そんなところです。アルマを交えるのは久しぶりでしたからね。」
「アルマさんとこも、うちに負けず劣らず幸せだと思うんだけどなあ。」
「そうですね。トマスが領地を管理し、ブルーメリが実家を支え、シュテファンが執事を継ぎます。とても上手く行っていますね。」
「最初は無位でしたのに、今や子爵様です。」
「まあ、ザゴル帝国の皇太子捕まえちゃったしなあ。うちかザゴルのどちらかの歴史には残ったんじゃない?」
「しかも、孫娘は皇后候補筆頭です。」
「そう言えば、アルマさん的にはメリッサだけじゃなくベルトランもいるねえ。」
「本当に、アルマは私に勝る幸せ者だと思います。」
「シュテファンのとこ、女の子三人だねえ。」
「婿を迎えるのですね。」
「まあ、アーニャさんのためだけに生きていた彼女が、自分の信じた道を進み続けながら、ちゃんと別の幸せも実現したところが立派だよね。あのままアーニャさんだけが幸せになっても、アーニャさんにはアルマさんを犠牲にした呵責が残ってしまう。」
「そうです。そうなのです。自己犠牲は立派ですが、最後はちゃんと気付いてくれたのです。みんなで幸せになった方が、もっと楽しいのだと。」
「ご主人様がカリーナさんにご結婚を薦められたのは、そういうことだったのですね。」
「そんな深いことまでは考えて無かった。ただ、結果的にそうだったなあって思っただけだよ。」
「いいえ、エル君は気付いて無くても自然にそう動ける方なのですよ。そういった意味に於いても、私にはエル君しかいませんでした。」
「結局、三人の女性を幸せにされたのですね。」
「ルーデルさんもいるけどね。」
「結果的に今回も大成功、といったところですか?」
「まあ、いい感じにまとまったところで、そろそろ昼食にしない?」
今日もまあ、元気なこと・・・




