さすがに疲れたから帰る・・・
毎年、帝都に来て何も無かった事など一度も無いが、今年も尾羽うち枯らしてロスリーに帰る。
いや、私たちよりフランシスは疲れ切っている・・・
「いや、今年もいろいろあったはずなのに、最後のが全部持って行ってしまった・・・」
「ええ、ロスリーを発つときはベアとローゼとアウレリアの心配ばかりしてましたのに。」
「まさかの伏兵登場だった・・・」
「ええ、しかも全くノーマークの。」
「そうだよ。一番帝都生活に問題無く適応すると踏んでたからねえ。」
「適応し過ぎてましたね。」
「しかも、学年こそ違えど、メリッサと同い年だからねえ。ビックリしかない。」
「フランもよく承諾しました。」
「まあ、陛下公認になったからねえ。それに、アイツに嫁選びに口出しする資格は無い。」
「そうですね。自分を貫いた結果のコリンさんですものね。」
「収穫祭、あったっけ?」
「まあ、私の唯一の出番でしたのに・・・」
「いや、ローサは誕生日が本当の出番だ。」
「あれは本当に心温まる、良い一日でしたね。」
「ああ、今年一番の収穫は、ローサがいつもの元気を取り戻してくれたことだよ。」
「まあ、本当に嬉しゅうございます。ありがとうございます。ご主人様。」
ローサが私にキャッチされる。
「他には、マルコも今年度一杯で引退が決まってしまったね。」
「はい。さすがはお義母様とお義父様にお仕えしただけの人物ではありましたね。」
「惜しいことだけど、年齢的にやむを得ないよね。カミル君も育ってきたし。」
「ローゼも婚約発表の準備を進めないといけませんね。」
「そういや、新しい国が一つできたような気がする。」
「ご主人様は、フローレンスとデレデレしておられました。」
「そりゃあ、帝都に出てきたときの大きな癒やしだからね。お菓子も作ったし、あれこれ作戦立てたし、そこは充実してたよ。」
「後は、リーヌス様の挙式に出席しました。」
「あれっ?それ、今年だっけ・・・」
「そうですよ。それと、ベルが来年、旅に出るとのことです。」
「そうだった。実は一大事が隠れてた。」
「後は、私の誕生日でまたまたやっつけられてしまいました。」
「あそこまでだったな。私の調子が良かったのは。」
「でも、何だかんだで幸せ一杯ですね。」
「もう少し、こう、ゆっくり分散してくれるといいんだけどなあ・・・」
「毎年、怒濤の攻撃を受けていますものねえ。」
「せめて、この旅の間だけは、ゆっくりしたいねえ。」
この時はすっかり忘れていたが、商会を長男アレクシス氏に譲ったキース君の一家が引っ越しのため、この車列に加わっている・・・




