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リンツ伝  作者: レベル低下中
第七章 晩年編
1712/1781

みんなが帰った後で・・・

 フランシスとコリンさんは、茫然自失というか何というか、という状態で帰って行った。


 いや、今日登城した理由は、お茶会だけではなかったのだが、私とアーニャさんで代行しておくことにしよう。

 フランとコリンさんは、さすがにそれどころではないだろう・・・


「いやあ、それにしても良きものを見せて貰った。やはり、若さとは良きものだな。」

「はい。あまりに突飛なことで驚きましたが、私やフランの子なら誰が言っても聞きませんので・・・」


「ああいう真剣な眼差しは、いつ見ても良い。あれは良き当主になろう。辺境伯家は将来も明るいな。」

「ありがとうございます。では、必要な証明書類はこちらに。」

「おお。ベアトリクス・マイヤーをフランシス・リンツの養女と認め、名をベアトリクス・リンツと改める、か。よろしい。これで、あの子を迎えるに当たっての事務は全て完了だな。」


「はい。こちらの都合で遅らせてしまい、申し訳ございませんでした。」

「なに、年度内なら問題無い。」

「ところで、本来なら当主が聞くべきことなのですが、どなたかエリーゼ様にお詳しい方はいらっしゃいますでしょうか。」


「なるほど。リリエンタール伯爵家の長女で歳は25ですか。」

「確かに、ホルストの倍だな。」

「ええ、でも35年後には60と47です。そんなに違わなくなります。」

「全くお主らは・・・まあ、伯爵家なら申し分無いし、西部の家だからな。帝室との関係も良好で代々忠義に篤い家柄だ。年が離れていることを除けば、良縁だ。」

「ええ、早速挨拶に伺ってみます。」

「コンラート卿も驚くであろうな。」


「何度か挨拶がてらお話しさせていただいたことはございますが、残念ながら良く知らない方です。」

「確か、そなたより一つ歳が上か同い年か。それくらいだったと思うぞ。まあ、長女を女官に出すような家だ。そちと違って真面目だぞ。」

「私の目を見て下さい。二日前のサバのように光り輝いております。」


「姉上、余は未だに此奴の言っていることが分からん時がある。訳してくれ。」

「はい。夫は、私だけは光り輝いた目だと信じている、と言っております。」

「単なる思い込みと解釈して良さそうだな。」

「はい。そのとおりでございます。」

「ホルストとは真逆だな。」

「はい。残念ながら・・・」


 何故だ、解せぬ・・・


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