みんなが帰った後で・・・
フランシスとコリンさんは、茫然自失というか何というか、という状態で帰って行った。
いや、今日登城した理由は、お茶会だけではなかったのだが、私とアーニャさんで代行しておくことにしよう。
フランとコリンさんは、さすがにそれどころではないだろう・・・
「いやあ、それにしても良きものを見せて貰った。やはり、若さとは良きものだな。」
「はい。あまりに突飛なことで驚きましたが、私やフランの子なら誰が言っても聞きませんので・・・」
「ああいう真剣な眼差しは、いつ見ても良い。あれは良き当主になろう。辺境伯家は将来も明るいな。」
「ありがとうございます。では、必要な証明書類はこちらに。」
「おお。ベアトリクス・マイヤーをフランシス・リンツの養女と認め、名をベアトリクス・リンツと改める、か。よろしい。これで、あの子を迎えるに当たっての事務は全て完了だな。」
「はい。こちらの都合で遅らせてしまい、申し訳ございませんでした。」
「なに、年度内なら問題無い。」
「ところで、本来なら当主が聞くべきことなのですが、どなたかエリーゼ様にお詳しい方はいらっしゃいますでしょうか。」
「なるほど。リリエンタール伯爵家の長女で歳は25ですか。」
「確かに、ホルストの倍だな。」
「ええ、でも35年後には60と47です。そんなに違わなくなります。」
「全くお主らは・・・まあ、伯爵家なら申し分無いし、西部の家だからな。帝室との関係も良好で代々忠義に篤い家柄だ。年が離れていることを除けば、良縁だ。」
「ええ、早速挨拶に伺ってみます。」
「コンラート卿も驚くであろうな。」
「何度か挨拶がてらお話しさせていただいたことはございますが、残念ながら良く知らない方です。」
「確か、そなたより一つ歳が上か同い年か。それくらいだったと思うぞ。まあ、長女を女官に出すような家だ。そちと違って真面目だぞ。」
「私の目を見て下さい。二日前のサバのように光り輝いております。」
「姉上、余は未だに此奴の言っていることが分からん時がある。訳してくれ。」
「はい。夫は、私だけは光り輝いた目だと信じている、と言っております。」
「単なる思い込みと解釈して良さそうだな。」
「はい。そのとおりでございます。」
「ホルストとは真逆だな。」
「はい。残念ながら・・・」
何故だ、解せぬ・・・




