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リンツ伝  作者: レベル低下中
第七章 晩年編
1710/1781

黒の主宰パーティー

 さて、夜は陛下主催のパーティーだ。

 バーナード卿は説得されたらしく、ウェルネス大公国の建国と大公就任が高らかに宣言され、会場は大いに盛り上がった。


 ちなみに、ホルストの成人の儀が既に終っていることを陛下に伝えたら、また怒られた。

 やったの、フランなのに・・・


「いやあバーナード卿、おめでとうございます。」

「ありがとうございます。エルハバード様。」

「いや、もう大公殿下の方が偉いのですから。」

「いえ、私も15年前までは子爵に過ぎなかった者ですから。」

「それを言ったら私だって、30年前は、ここに居る方々から子爵並と呼ばれておりました。」


「それもこれも、全ては陛下とエルハバード卿のお陰です。ウェルネス人にとっては、考え得る中で最良の結果でしょう。本当にありがとうございました。」

「それは、どういたしましてです。」

「エルハバード卿!」

 うん?この声って、まさか・・・


「おお!これはこれは、バーナード卿もお久しぶりです。」 

「アントン卿。どうしてって、その徽章・・・もしかして。」

「はいっ!11月1日付けをもちまして、軍務卿に昇進いたしました!これも全てエルハバード卿のお陰でございます。」

「これは、おめでとうございます。本当に出世してしまいましたね!」

「はい。まあ、私も今年度一杯で退官ですので、最後の花道を飾らせていただいた人事なのですが・・・」


「いいえ、軍務卿なんて、お情けでなれる役職などではございません。大臣ですよ、大臣。陛下を除けば大陸一の軍の頂点ですから。」

「本当に、ありがとうございます。私はただ、エルハバード卿の後ろを付いて回っていただけではありますが、これで、息子の代には伯爵も夢ではなくなりました。」

「ええ、亡き師も喜んでいることでしょう。」

「本日はどうしてもお礼に伺いたくて、参上仕りました。」

「いやいや、頭をお上げ下さい。少なくとも私は無位の隠居に過ぎませんから。」

「いえ、血風の子にして”不敗将軍の弟子”、エルハバード・リンツ前辺境伯様でございます。」


「何だエルハバード、随分大仰な名を名乗っておるな。」

「へ、陛下。こ、これは、し、失礼いたしました。」

「アントンか。苦しゅうない。戦場での此奴の働きぶり、これからもじっくり聞かせてもらうぞ。」


 アントン様、よかったですねー・・・


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