アーニャさんを労う
さて、今日はアーニャさんの誕生日。
朝から嫡孫の参観を口実に貴族学校内を巡ったり、思い出の場所をブラブラ巡った。
「いやあ、今日はいろいろ回って楽しかったね。」
「はい、久しぶりに心置きなく楽しめました。本当にエル君と一緒にいると、楽しい事ばかりですね。」
「本当にありがとう。特に今年はオルガさんが亡くなって以来、ローサに付きっきりのことが多くて、アーニャさんには苦労をかけてしまった。」
「いいのですよ。ローサさんになさっていることは、いつか私にもして下さることなのですから。でも、元気になって本当に良かったです。」
「アーニャさんには敵わないねえ。ローサには、全てを受け入れる強さが、アーニャさんには全てを飲み込んでしまう器の大きさがある。」
「まあ、お褒めいただき、ありがとうございます。でも、時々、自信がなくなることもあるのですよ。」
「アーニャさんほどの人でも?」
「私など、大した者ではございません。特にエル君と比べると。」
「全くそんなことはないが?」
「いいえ、例えばローサさんは聖女です。それを自分の力で得て、その責を十分に果たしています。でも私は公爵家出身でエル君の妻以外に、語るべき物を持ちません。全てはエル君に与えられたものなのです。」
「それを言える器の大きさをもってしてもかい?」
「はい。器の大きさでは、エル君に敵いません。」
「そんなことはないことを今から証明しよう。何故なら私は、アーニャさんの良い所を100は簡単に言える。」
「まあ!またお恥ずかしいものが出てまいりました。」
「しかも、毎日一つづつ追加することだってできる。」
「ダメです。それ以上は勘弁して下さい。」
「私にとって、アーニャさん以上の女性も、アーニャさん以外の女性もいない。第一、帝国どころか大陸中探したって、アーニャさんに勝る人なんていない。男であっても女であっても、たとえ子や孫であっても。」
「あの、その、も、申し訳ございません。参りました・・・」
「弱気なことを言った罰に、頭ナデナデの刑の処す。」
「そんな矢継ぎ早に必殺技を出されたら、おかしくなってしまいます。」
「ワッハッハ!幸せ過ぎておかしくなってしまえ!」
「う~ん、もうダメ、です・・・」
「ワッハッハ!おかしいことにかけては、私の右に出る者などいない!」
労いすぎてダメなことって、ないよね?




