表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リンツ伝  作者: レベル低下中
第七章 晩年編
1707/1781

アーニャさんを労う

 さて、今日はアーニャさんの誕生日。

 朝から嫡孫の参観を口実に貴族学校内を巡ったり、思い出の場所をブラブラ巡った。


「いやあ、今日はいろいろ回って楽しかったね。」

「はい、久しぶりに心置きなく楽しめました。本当にエル君と一緒にいると、楽しい事ばかりですね。」


「本当にありがとう。特に今年はオルガさんが亡くなって以来、ローサに付きっきりのことが多くて、アーニャさんには苦労をかけてしまった。」

「いいのですよ。ローサさんになさっていることは、いつか私にもして下さることなのですから。でも、元気になって本当に良かったです。」

「アーニャさんには敵わないねえ。ローサには、全てを受け入れる強さが、アーニャさんには全てを飲み込んでしまう器の大きさがある。」


「まあ、お褒めいただき、ありがとうございます。でも、時々、自信がなくなることもあるのですよ。」

「アーニャさんほどの人でも?」

「私など、大した者ではございません。特にエル君と比べると。」

「全くそんなことはないが?」


「いいえ、例えばローサさんは聖女です。それを自分の力で得て、その責を十分に果たしています。でも私は公爵家出身でエル君の妻以外に、語るべき物を持ちません。全てはエル君に与えられたものなのです。」

「それを言える器の大きさをもってしてもかい?」

「はい。器の大きさでは、エル君に敵いません。」


「そんなことはないことを今から証明しよう。何故なら私は、アーニャさんの良い所を100は簡単に言える。」

「まあ!またお恥ずかしいものが出てまいりました。」

「しかも、毎日一つづつ追加することだってできる。」

「ダメです。それ以上は勘弁して下さい。」


「私にとって、アーニャさん以上の女性も、アーニャさん以外の女性もいない。第一、帝国どころか大陸中探したって、アーニャさんに勝る人なんていない。男であっても女であっても、たとえ子や孫であっても。」

「あの、その、も、申し訳ございません。参りました・・・」

「弱気なことを言った罰に、頭ナデナデの刑の処す。」

「そんな矢継ぎ早に必殺技を出されたら、おかしくなってしまいます。」

「ワッハッハ!幸せ過ぎておかしくなってしまえ!」

「う~ん、もうダメ、です・・・」

「ワッハッハ!おかしいことにかけては、私の右に出る者などいない!」


 労いすぎてダメなことって、ないよね?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ