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リンツ伝  作者: レベル低下中
第七章 晩年編
1704/1781

そりゃあ、こうもなるでしょう

 宴が終わり、屋敷はいつもの静けさを取り戻す。

 私とローサは二人、自室に入って休んでいるが、過去最高を越えた最高のひっつき虫が降臨中である。


「今日は我ながらよく頑張った。それに、企画したフローレンスとカタリーナさんたちには感謝しか無いな。」

「そうだったのですね。今日は一日中泣いていたような気がします。過去最大級の意地悪です。」

「いやあ、ここまで上手く行くと旦那冥利に尽きるよ。それではいっ。」

「これは?」

「開けてみれば分かるよ。」


「まあ!これは・・・あの時の・・・」

「そうだよ。昨日、フローレンスが汗だくになりながら砂糖を煮詰めてた。」

「懐かしいですね。最近は1ディリシリーズに押されて、すっかり見なくなっていました。」

「同じ味だよ。まあ、この材料じゃあ違う味には絶対できないけど・・・」

「美味しいです。あの時を思い出します・・・」

「初めて頭ナデナデした時だね。」

「はい。そして、その時にいただいた10ディリはここに・・・」


「これがあればあめ玉なんかたくさん買える。こんなのいくらでもあるから遠慮しなくてもいいよ。」

「ウフフッ!お坊ちゃまの・・・声。」

「貧乏だったクセに、見栄張ってた。」


「私は、たくさんの方に支えられて、50年の人生のうち、40年も幸せな人生を送ってきたのに、それを忘れて、皆さんに恩返しするどころかご心配をお掛けしてしまいました。本当にダメ聖女です。」


「そんなことはないよ。あの収穫祭に集まった人を見たでしょ。とんでもない数の人を救ってるんだよ。生きていると悲しい事は必ず起こる。その時に挫けたっていい。ただ、必ず元気を取り戻す。これだけは約束して欲しい。」

「はい。必ずお約束します。」


「これが伝えたかったことだよ。」

「過去最大級の意地悪は、私を絶望の淵から救い出してくれました。」

「それなら意地悪をした甲斐があったね。本当に、オルガさんの抜けた穴は大きかった。」

「私は、少しだけ強くなった気がいたします。それと、少しだけご主人様のお役に立てる気も。」

「これからも、よろしくね。」

「はい・・・」

「じゃあ、休もうか。」


 幸せが、再び戻る、夜長かな・・・


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