そりゃあ、こうもなるでしょう
宴が終わり、屋敷はいつもの静けさを取り戻す。
私とローサは二人、自室に入って休んでいるが、過去最高を越えた最高のひっつき虫が降臨中である。
「今日は我ながらよく頑張った。それに、企画したフローレンスとカタリーナさんたちには感謝しか無いな。」
「そうだったのですね。今日は一日中泣いていたような気がします。過去最大級の意地悪です。」
「いやあ、ここまで上手く行くと旦那冥利に尽きるよ。それではいっ。」
「これは?」
「開けてみれば分かるよ。」
「まあ!これは・・・あの時の・・・」
「そうだよ。昨日、フローレンスが汗だくになりながら砂糖を煮詰めてた。」
「懐かしいですね。最近は1ディリシリーズに押されて、すっかり見なくなっていました。」
「同じ味だよ。まあ、この材料じゃあ違う味には絶対できないけど・・・」
「美味しいです。あの時を思い出します・・・」
「初めて頭ナデナデした時だね。」
「はい。そして、その時にいただいた10ディリはここに・・・」
「これがあればあめ玉なんかたくさん買える。こんなのいくらでもあるから遠慮しなくてもいいよ。」
「ウフフッ!お坊ちゃまの・・・声。」
「貧乏だったクセに、見栄張ってた。」
「私は、たくさんの方に支えられて、50年の人生のうち、40年も幸せな人生を送ってきたのに、それを忘れて、皆さんに恩返しするどころかご心配をお掛けしてしまいました。本当にダメ聖女です。」
「そんなことはないよ。あの収穫祭に集まった人を見たでしょ。とんでもない数の人を救ってるんだよ。生きていると悲しい事は必ず起こる。その時に挫けたっていい。ただ、必ず元気を取り戻す。これだけは約束して欲しい。」
「はい。必ずお約束します。」
「これが伝えたかったことだよ。」
「過去最大級の意地悪は、私を絶望の淵から救い出してくれました。」
「それなら意地悪をした甲斐があったね。本当に、オルガさんの抜けた穴は大きかった。」
「私は、少しだけ強くなった気がいたします。それと、少しだけご主人様のお役に立てる気も。」
「これからも、よろしくね。」
「はい・・・」
「じゃあ、休もうか。」
幸せが、再び戻る、夜長かな・・・




