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リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
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疲れた顔の8歳児

帝国歴245年2月9日


 今日、8才になった。

 といっても特に何かをする訳ではない。


 屋敷のみんなに祝福の言葉をいただき、夕食のスープの味が多少濃いだけであるが、それでもちょっと嬉しい。


 2月に入ってソロバン、リバーシ、剣玉の先行販売がロスリーで始まった。

 建前は試験販売だが、実際は生産が追いつかない上、帝都での販売網をロスリー商会が持っていないことが理由である。

 ただ、既に木工職人の囲い込みが始まっており、本来の木工品生産に支障が出るおそれが出てきたことは、気になる動きだ。


 石炭についても、商会を通じて販売することが決まり、使用法の普及も併せて行ってくれるとのこと。

 そして鉱山からの輸送は、運輸業を営む地元のエネル商会が担当してくれる。


 更に農林畜産試験場、水産試験場、ロスリー上水道取水口、ロスリー市民病院、ロスリー総合学校建設予定地も決まった。

 資金の目処は未だ立ってはいないが、都市計画と併せ、一歩前進したことは間違いない。


 人材の確保については、エネル商会から2名が所謂出向という形で来てくれた。

 しかも給金は商会持ちという破格の条件である。

 これは何か見返りを用意しなくてはいけない。


 これと並行して、教員・医師の募集要綱と採用基準も策定した。

 教員については騎士爵家ゆかりの者などで何とかなりそうであるが、医師については目星がつかないでいる。


 石炭鉱山については、現地が集落にほど近いことは幸いであった。

 今は馬車道の整備を使役労働者に行わせつつ、試掘の準備中である。


 政庁開設準備についても、市役所の備品を最大限使えば、後は職員募集だけである。

 募集要綱と採用基準は、もう準備済みだが、肝心の資金が無いので、取りあえずはここまでである。


 領地測量についても、ロスリー~スーディル間の街道を皮切りに開始された。

 今後は測量班を増員して、詳細調査の基礎となる鳥瞰図作成を急ぎたい。


 法案は意外にも奴隷取引制限令が最もすんなり通った。

 私刑禁止と埋葬法については、まだ教会への根回しが必要である。


 今日も49才並みに疲れた顔の8才児が頑張る。


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