帝都、何回目だろ・・・
さて、今年も収穫祭を見ずして帝都に向かう。
こうでもしないと帝都の収穫祭に間に合わないのだから仕方無い。
もう、全員で行くのがデフォになっている。
「でもさあ、ファビアンは別に来なくてよかったんじゃない?ついこないだまで帝都にいたんだし、ルカスを見習えよ。」
「エル君、ファビアンは彼女が帝都にいるのですよ。」
「付き合ってるの?」
「ええ、エル君知らなかったんですか?」
「いや、好きな人はいるって聞いてたけど、付き合ってるとまでは聞いてない。」
「クラナッハ男爵令嬢は、内務省に入ったそうです。会いたいのだと思いますよ。ルカスとデリアさんは仲良くロスリー校に通ってますからね。」
「騙された!アイツてっきり執事修行頑張るもんだと思ってたのに。それにしてもヴィレは知ってるのかなあ。」
「ええ、ヴィレはしっかりしてますし、カタリーナさんとアデーレさんも知っていますよ。もちろん、オイゲン先生とサラさんも。」
「なら心配ないか。挙式は4年後だしね。」
「でも、クラナッハ家には打診しないといけませんね。」
「私からした方がいいんだろうか。」
「そうでした。もうフランとヴィレに任せるべきですね。」
「他には懸案あったかなあ・・・」
「ローゼの様子とベルに近況を聞くことと、ホルスト達の学校生活ですね。それとリーヌス様の挙式がありますね。」
「併せて、リサさんとこがみんなお目出度だから、お祝いしないとね。」
「リーンも間もなくお婆ちゃんです。」
「また、ベビーラッシュが来るんだねえ。」
「きっとそれにファビアンが加わりますよ。」
「一世代違うけどね。」
「ええ、うちはひ孫です。」
「ローサは、やっぱり元気ない?」
「いいえ、そのようなことはございませんよ。少し、収穫祭のことを考えておりました。」
「去年は違ったけど、親子での礼拝はもう、すっかり祭礼の目玉だからねえ。」
「はい。とても注目されてしまいます。」
「あれは大変だよなあ。でも、ローサ以外にはできないことだから。」
「はい。良い祈りになるよう、頑張ります。」
まだ、今一つ元気がないから、フローレンスに会って、元気を取り戻してくれればと思う。
「まあ、今回は時間があるから。帝都でもいろいろできるかな。」
さて、今年は平穏かな。




