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リンツ伝  作者: レベル低下中
第七章 晩年編
1696/1781

帝都、何回目だろ・・・

 さて、今年も収穫祭を見ずして帝都に向かう。

 こうでもしないと帝都の収穫祭に間に合わないのだから仕方無い。

 もう、全員で行くのがデフォになっている。



「でもさあ、ファビアンは別に来なくてよかったんじゃない?ついこないだまで帝都にいたんだし、ルカスを見習えよ。」

「エル君、ファビアンは彼女が帝都にいるのですよ。」

「付き合ってるの?」

「ええ、エル君知らなかったんですか?」

「いや、好きな人はいるって聞いてたけど、付き合ってるとまでは聞いてない。」


「クラナッハ男爵令嬢は、内務省に入ったそうです。会いたいのだと思いますよ。ルカスとデリアさんは仲良くロスリー校に通ってますからね。」

「騙された!アイツてっきり執事修行頑張るもんだと思ってたのに。それにしてもヴィレは知ってるのかなあ。」

「ええ、ヴィレはしっかりしてますし、カタリーナさんとアデーレさんも知っていますよ。もちろん、オイゲン先生とサラさんも。」


「なら心配ないか。挙式は4年後だしね。」

「でも、クラナッハ家には打診しないといけませんね。」

「私からした方がいいんだろうか。」

「そうでした。もうフランとヴィレに任せるべきですね。」


「他には懸案あったかなあ・・・」

「ローゼの様子とベルに近況を聞くことと、ホルスト達の学校生活ですね。それとリーヌス様の挙式がありますね。」

「併せて、リサさんとこがみんなお目出度だから、お祝いしないとね。」

「リーンも間もなくお婆ちゃんです。」

「また、ベビーラッシュが来るんだねえ。」


「きっとそれにファビアンが加わりますよ。」

「一世代違うけどね。」

「ええ、うちはひ孫です。」


「ローサは、やっぱり元気ない?」

「いいえ、そのようなことはございませんよ。少し、収穫祭のことを考えておりました。」

「去年は違ったけど、親子での礼拝はもう、すっかり祭礼の目玉だからねえ。」

「はい。とても注目されてしまいます。」

「あれは大変だよなあ。でも、ローサ以外にはできないことだから。」

「はい。良い祈りになるよう、頑張ります。」


 まだ、今一つ元気がないから、フローレンスに会って、元気を取り戻してくれればと思う。

「まあ、今回は時間があるから。帝都でもいろいろできるかな。」


 さて、今年は平穏かな。


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