病み上がりなのに、いつもどおりなんだよなあ
結局、3日休んだ。
ローサと共謀して、1ヶ月くらい休んでやろうかと企んだが、セバスを始め、みんなが働いているのを見て、いたたまれなくなり復帰した。
なのに、全然手加減してくれない・・・
「坊ちゃま、また父上からお手紙です。」
「母から来なくなったと思えば、今度は父か。全く世話の焼ける親だ。」
「まあ、そうおっしゃらずに・・・」
「公爵家の使いがこっちに来るそうだ。全く、厄介だなあ。」
「それで、どう対応するおつもりで。」
「強気に押し返すよ。一度強く断らないと分からないようだからね。」
「畏まりました。それと、放火が今月で3件発生しております。」
「そっちもあるね。頼むから落ち着かせて欲しいよね。」
「ええ、しかし1件はスーディル市内です。無視はできません。」
「全て同一犯かな。」
「分かりませんが、全て火の気のない建物ですので、不始末とは考えづらい状況です。」
「なるほど、とにかく騎士団と自警団の巡回を徹底するしかないね。」
「はい、ところで、新しい楽器が出来上がったと知らせがございました。」
「ほう、これで管楽器は一応揃ったね。」
「それと、堤防もハーゲン川河口まで到達しました。」
「洪水が来る前に完成したのは嬉しいね。」
「しかし、対岸からは恨まれますな。」
「そうだね、一方的に向こうが氾濫するからね。でも、何もしないアンブロス伯爵家が悪くない?」
「ええ、領主の義務ですからね。まあ、対岸はほとんど畑のようですが。」
「他に何かある?」
「測量隊も山脈稜線を終え、南下を始めたとのことです。」
「ホント、ご苦労だったよね。そろそろ製図したいんだけど。」
「人がおりませんな。」
「1班は製図に専念してもらおうか?」
「ただ今、1班はスーディルの下水道、もう1班はニルヴェ川の堤防にいるはずです。」
「手が離せないねえ。でも測量成果が膨大で、書庫が凄いことになってる。」
「取りあえず、領地の周囲測量が完了したら、その班が製図するということで。」
「そうするしかないね。でも、もう今日の仕事はこれでいいよね。何だか疲れてるんだよね。」
「それとお休み中、ジョセフが新作の菓子を作りましたが。」
「いや、それは確認するよ!」
それ、絶対わざとでしょ!




