三人の新たな誓い
ベルトラン、ブルーメリ、フローレンスは生まれたときからいつも一緒だった。
そして、共通しているのは、三人とも繊細で、互いを思いやっている所か。
リヒトヴィレ、トマス、フランシスも同い年三人組だが、彼らとはまた少し違う関係性を持っている。
「でも、本当に意外だったなあ。まさか二人が一緒になるなんて。」
「実は私もビックリだったよ。まさかベル君が私を選んでくれるなんて思わなかったから。」
「でも本当に良かった。だって、ブルーメリはベル君のこと、昔っから好きだったもんね。」
「私、そんなに分かりやすかった?」
「うん。ベル君は何にも考えて無かったけど。」
「私もそう思ってた。どこで私を選ぼうなんて思ったの?」
「いや、父上がさあ、あんないい子を7年も放置した責任は取れって。それまで、無意識だったのに、全てが繋がったっていうか。大事なものを見落としてた事に気付いたって感じだな。」
「旦那様、だったのですね。」
「さすがはお父様です。」
「こんな無責任無自覚の俺にさあ、人である以上、どこかで誰かを幸せにする義務があるって言うんだ。何か、格好良くない?」
「本当に、お父様は誰一人零さず幸せにする人です。」
「ああ、父上はいろいろ凄いけど、一番スゲえ所はまさにそこだと思うよ。」
「旦那様は私の生涯の恩人です。」
「それはそうと、あの時贈り合った物、持ってるよな。」
「ええ、いつも大切に保管してるわ。」
「それに願掛けしようぜ。俺たちの新しい誓いだ。いつかみんなで達成して報告だ。」
「いいわね。じゃあ、私は教会で偉くなって清く正しくする。」
「じゃあ私は、ヨルクを立派な後継に育て上げる。」
「じゃあ、俺様は、父上が驚くような新発見をする。」
「できるの~」
「目星は付けてるんだ。だからブルーメリ、もう一度だけ、一年で帰って来るって約束するから、旅に行かせてくれ。」
「うん、いいよ。でも、絶対に元気に戻って来てね。」
「ああ。じゃあみんな、約束だぜ!」
「うん!」
「でもまあ、まずはヘンリエッテがちゃんと育つように頑張らないとな。」
「頼りにしてるよ。お父様。」
「ああ、任せとけ。」
そう言うと三人は喧噪に溢れる街中に走って行く。
誓いの空は、いつも決まって晴れ渡っている・・・




