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リンツ伝  作者: レベル低下中
第六章 辺境伯後編
1625/1781

ラーヘル陛下はいつもご機嫌

 次の日、いつものメンバーでラーヘル陛下のご機嫌取りに赴いた。


「さあさあ、いらっしゃい。ベアちゃんも、随分慣れたわね。」

「はい、ひいおばあちゃま。」

「まあまあ、本当に日に日に可愛さを増して行くわね。本当にいい子。」

「そこは母親の唯一良い所でございます。」

「お父様、酷いです・・・」


「メリッサはいいとこだらけです。器量よし、人柄良し、利発で敵を作りません。子爵夫人にしておくには本当に勿体ないですわ。」

「陛下、あまり褒めると、すぐ鼻が伸びてしまいますので、そのくらいで。メリッサもほら、みっともないから、その伸びた鼻、元に戻しなさい。」

「は~い。」


「まあいいわ。それにフローレンスも良く来てくれました。」

「はい。私の方こそ、勿体ないことです。」

「あなたはメリッサとは全く異なる資質を持っていますね。教会の仕事には慣れましたか。」

「はい。まだまだ不慣れで、ミスも多いです。特に司教のお仕事は多岐に亘り、なかなか人々の救済に時間が割けません。」


「そうね。帝都中央教会なら特にそうね。でも、司教だからこそできることがあります。なんたって、あなたはあのテルツで修行したのです。清貧を貫き、教会を中から改革しておやりなさい。」

「お父様も同じような事をおっしゃっておられました。ありがとうございます。目の前が晴れたような気分です。」


「いいわねえ。何でエルハバードなんかから、こんなにいい子ばかり育つのかしら。」

「それは、妻たちに聞いていただけるとよろしいかと。」

「そうねえ。でも、あなたにも秘密があるのではなくて?」

「そうはいいますが、殿下方も大変好ましい方々ではありませんか。」


「ベルトホルトはまだ今一つね。先帝陛下は自らの力で即位し、フランカイザーは兄弟全員が失脚した所を見ています。それらに比べると、ベルトホルトらは、まだ何も知らない者特有の全能感が抜けていません。要するに肝心な所で判断が甘く、どうでも良い所で大きく出ようとするのです。エルハバード、あなたは同級生だったから、クリスハルトを知っていますね。」

「ええ、少しだけですが。」

「あれほどではありませんが、そうならないよう、注意する必要があるのですよ。」


「そうですか。それで、つかぬことをお伺いしますけど、その方は今は・・・」

「あら、そう言えばあれ以来聞かないわねえ。気にしたこともありませんでしたけど。まあいいでしょう。今は娘と孫、ひ孫とのひとときを楽しみましょう。」

「さあベア、ひいお祖母様のおひざが空いていますよ。」

「はい。ひいおばあさま、よろしいでしょうか。」

「まあ、可愛い。さあ乗って。うん、最高ね。」


 みんな、機嫌取るの上手いなあ・・・


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