フローレンスとの再会
さて次の日。私たちは家族総出で帝都中央教会に行った。
ベルトランもいるし、ルカス達は学校すら休んでいるから、文字通り全員である。
その様はまるでデモ隊である。
「辺境伯、よ、ようこそお越しいただきました。しかし、これは・・・」
「枢機卿様、娘に会いに来ましたが、会えますよね。」
「え、ええ、もちろん。少しお待ち下さい。」
大聖堂内の部屋の一つに通されると、程なく彼女が姿を現す。
「フローレンス・・・」
「お父様、皆さん・・・」
もう言葉など出ないし、そのまま長く抱き合った。
しばらくの間は、これまでの空白の時間を埋めようと、様々な思いが溢れ出すが、混乱して全く思いがまとまらない。
「元気にしてたか?何か困ったことは無かったか?」
「はい。とてもたくさんの方々に助けられ、ここまで来ました。」
「そうか。お前が元気なら、他に望みなど無いよ。それにしても本当に立派になったなあ。さて、今日はみんな来てる。初めての者もいるな。みんな、こっちへ。」
私に遠慮していたみんなが、ぞろぞろと近付いて来る。
「フローレンス。こちらがローザリンデ、ホルスト、セレスティナ、ルトガー。みんな私の子だよ。」
「まあ、四人もおられるのですね。それとコリン様、ご無沙汰しております。」
「はい。こちらこそ、覚えていただき、ありがとうございます。」
「フローレンス。僕の所は、ルカス、ファビアン、フュルヒテゴット、アウレリア、マンフレート、イングリットだよ。」
「まあ、たくさんおられますね。ルカス君とファビアン君は、お生まれになった時に一度だけ、お会いしましたね。カタリーナお姉様もアデーレお姉様も、ご無沙汰しております。」
「ええ、私たちも会えて嬉しいです。」
「フローレンス。実はな、俺、ブルーメリと結婚して、二人目の子供ができた。」
「・・・ベル君、良かったねえ。ホントに良かった。」
感極まる二人。それはそうだろう。
「ブルーメリも帝都に来てる。後で会えるから。」
「うん、楽しみにしてるね。」
「フローレンスお姉ちゃん。私の所は、ベアトリクス、ハーロルト、マクシミリアンの三人よ。トマス君も帝都にいるから、ブルーメリお姉ちゃんと一緒に会ってね。」
「うん、メリッサちゃんも大きくなったね。」
「エヘヘ~、お姉ちゃん大好き。」
「奥方様も、本当にお会いしたかったです。」
「ありがとう。帝都にはオルガさん、ティアラさん、アイリーンさん、ウルさん、エルフリーゼさんたちも来てるの。また会ってあげてね。」
「はい。本当に懐かしくて、温かい気持ちになりますね。」




