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リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
135/1781

屋敷の日常

 うちの屋敷は、いつものどかだ。

 家主がこんなだからだろう。

 マリアさんですら、父のいない時は割と暢気なものである。


 ゲルハルトは、春が来るまで庭師の仕事がほとんど無いので、馬の世話を入念にしている。

 いや、ディゼルとじゃれている。


 メイド5人衆は、掃除と洗濯は全員攻撃状態である。

 でも、そこから出ている音量の大半はアイリーンさんとウルさんが発生源である。

 つまり、彼女たちはいつでもどこにいるのかが分かる。


 対照的に、気配を消失させてしまうのがオルガ・ローサ組である。

 まあ、あの二人がサボるなんて、ゲルハルトが真面目に仕事するくらい、あり得ないのだが・・・


 ジョセフさんとヤンさんは、今日も新メニュー開発に余念が無い。

 屋敷全員の調理をしても余裕があるのだ。

 料理人の数は少ないが、屋敷の人数もまた、少ないのである。


 そして、私とセバスは風呂の工事を監督している。

 もうすぐお茶の時間だ。


「お茶の準備が整いました。」

「では、広間に参りましょうかな。」

「ゲル~、先に行ってるよ!」

 いつもの光景。


「もうすぐ工事も完成しますね。」

「どんな便利機能なのかしら。」

「完成したら、みんな使っていいんだからね。」

「お風呂、もでしょうか。」

「勿論、石けんや洗髪料も自由に使って、感想なんか聞かせて欲しいな。」

「分かったぜ!家でも使ってちゃんと報告しまさあ!」

 堂々と持って帰ろうとするな!


「でも、お坊ちゃまのおかげで、便利になり、毎日が楽しいです。」

「マリアさんの評価が一番客観的なので、そう言ってもらえると嬉しいよ。」

 ローサは絶対褒めるし、オルガさんはあれだし。


「でも、お風呂って贅沢よね。」

「もう、これ以上綺麗になっちゃったら・・・旦那が。」

「姉さん、あの義兄さんなら、そんなに力まなくても・・・」

「おだまり!あんたも早くいい人見つけてから言いなさい!」

「もうあんたたちは、喧嘩しないとものが食べられないのかねえ。」

「そうですわね。少しはローサちゃんを見習ってくれるとねえ。」


 いつもこれだ。そう、いつもの光景。


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