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リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
134/1781

リンツ騎士団

 この国には、軍事組織として近衛騎士団と軍があるが、この他に各貴族家が保有する騎士団がある。


 これは私兵としての要素を強く持ちつつも帝国軍にカウントされる国軍としての意味合いがあり、私もよく理解できていない。


 そんなリンツ騎士団は、新兵を合わせて総勢850名を数える。


 他の伯爵家と比べると残念な規模であり、戦国時代なら、ゲーム開始直後に滅亡しかねない小勢に過ぎない。

 しかし、血風と謳われた父とともに、各地の戦場を経験した歴戦の強者も未だ多く、「山椒は小粒でぴりりと辛い」ものだと信じている。


 まあ、小粒になってしまった原因は、自慢できるものではないが・・・


 ちなみに、リンツ騎士団がそこそこ強いのは伝統のようで、東部「辺境」と呼ばれる一因に、この兵の存在があるのは、最早定説である。


 目の前では、重装歩兵が整列して訓練を行っている。


「いやあ、坊ちゃんに来ていただけると、皆の士気も上がりますなあ!」

「とにかく、みんなの動きが揃っていますね。」

「あれは、指揮官だけでなく、各班を率いる下士官がしっかりしていないとできません。お父上が最も重視していたのが、彼らを育てることでしたわい。」

「父も、そういうところは、ちゃんとしているんですね。」

「まあ・・・それともう一つ。一人は皆のため、皆は一人のため、ですぞ。」

 それって軍発祥の言葉なの?


「そのためには、単に統率が取れているだけでなく、総員の技量が揃ってないといけません。陣形の維持こそ勝利を掴む秘訣ですからな。」

「だから、こういった集団訓練が必要な訳ですね。ところで、銃兵の訓練は?」

「あれです。今は新しく取り入れた匍匐前進の訓練ですな。」


「射撃訓練の頻度は?」

「実弾演習は週一度、砲兵と交代で行っております。一斉射撃は壮観ですぞ!ああ、その他にも伏せた状態や、移動しながらの射撃も行っております。」

「なかなか充実しているようですね。」

「これだけの訓練を行っている騎士団は、諸侯には無いでしょうな。陸軍でもトップクラスか、ああ、第三近衛は厳しいでしょうなあ、ガッハッハ!」

「ああ、あの人だからねえ。」

「帝都の騎士たちが不憫でなりませんワイ。」


「砲兵は組立作業中ですね。」

「まあ、それが肝ですからなあ。」

「あれ?騎馬兵が弓使ってる?」

「最近取り入れました。遠距離攻撃できる手段が無いですからなあ。鉄砲も試してみましたが、反動は強いし、馬は暴れるしで諦めましたわい。」

 騎馬鉄砲隊は無理だったか・・・


「しかし、団長もこうして見ると、頼もしいですね。」

「ワシから頼もしさを取ったら何も残らん。」


 時々、昨日の酒が残っているようだが?


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