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リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
130/1781

1年で一番寒い時期ですね

帝国歴247年2月



 屋敷の改装工事が始まった。完成には2ヶ月ほどかかる。

 ついでに調理場にも水道を布設する。


 一番寒い時期に風呂が間に合わないのは、日本人としては痛恨の極みであるが、本来は新邸から導入の予定だったので、全体のスケジュールを早めてくれた暴走商店主たちに、そこだけは感謝している。


 上水道も試験通水中で、下水道も中央通りを通過するものは、最終処理場につながった。


 ロスリーの地盤は、ニルヴェ川からの堆積物が多くを占めるために軟弱であるが、穴を掘るにはいいらしい。

 そして、下水が供用開始となった区域から順次、公衆衛生規則を適用していく。

 既に窓からの汚物ポイ捨ては減ってきているが、これを罰則付きで全面禁止する。


 騎士団も、募集を再開した。例の事件を受けて必要性が再認識された形だ。

 また、軍楽隊と儀仗隊も創設された。

 儀仗隊については、現代風のライフルでも剣でもなく、短い槍を振るう。


製糸・縫製工廠も従業員募集が開始され、織機の設置も本格化している。

 ブリギッテさんが歓喜していたのが、とても印象的だった。


 さらに、ボールペンインクはまだだが、印刷用のインクは完成した。

 次は絵具や化粧品用顔料の品質向上に取り組む。


 そして、企業団の保有する特許が、ついに100を超えた。

 もちろん、一人が保有する特許としてはダントツである。

 チョコの製法も申請中であるが、どのみち原料はリンツ家しか入手できない。

 もちろん、パルプ製紙法も申請中であり、許可を受け次第、販売に移る。

 もう、両商会長は笑顔が弾けている。本当に弾けていた。


 また、ガラス工房が大幅に拡張された。名称もロスリーガラス工房に決まり、新たなスタートを切る。 

 何せ、各種ビン生産が追いつかないほど需要がある。

 まあ、原因はうちだけど。


 そして、ロスリー金属工業を御用商人、もとい、新規商人育成制度の認定事業体に指定した。

 同時に、今まで金属加工工廠としていた工場の名称を機械製作工廠に変更した。

 これは、親方の鍛冶屋と工廠の棲み分けを明確にしたい意図と、金属加工といいながら、ほとんど大型機械の製造しかしていないので、いい機会だと考えたものだ。紛らわしいし・・・


 そして、実験船も完成し、スーディル湾内で試験航海を繰り返している。

 一度、船内を視察したが、エンジンだけが載ったシンプルなものだった。

 慣れたら全力航行のため、外海に出るだろうが、今はまだ、おっかなびっくり状態である。


 寒い時期だが、躍動する。

 いや、私は49才。風の子ではないが・・・


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