そして、ついにチョコ
ついに、チョコレート試作品が届いたので、早速、お菓子を作る。
ジョセフさんとヤンさんも、初めて見る素材に興味津々。
「黒いものと白いものがございますね。」
「どちらもチョコレートだよ、黒い方がカカオの種を焙煎して挽いたもの。白い方が種の油を使ったものだよ。少し食べてみるかい。」
「これは・・・黒い方は焦げているのですか?でも、あ、甘い。」
「勿論、甘さは砂糖で出しているものだけど、今まで食べたことの無い香ばしくて、滑らかな甘みでしょ?」
「ええ、口の中で溶けてまいります。」
「これは、全く新しい味、といってもよろしいですね。」
「今日は、これを使ってお菓子を作るから、見ててよ。」
そして、チョコプリン、チョコムース、チョコレートケーキ、アーモンドチョコが完成。ホワイトチョコはハート形にしたが、ほぼそのまま提供した。
そして、みんなに振る舞う。
「これが、あの種から・・・」
「とても美味しい・・・です。」
「あらあらまあまあ・・・」
「こりゃまた・・・娘に食わしてやりたかったなあ・・・」
しみじみするなよ!どうせ持って帰るんだろ!
っていうより、娘いたか?
「これは、わざわざ南大陸まで行って、買ってくるだけの事はありますな。」
「貴族には珍重されると思うよ。」
「お坊ちゃま、これを売るのですか。」
「売るよ。そして、いつかロスリーの人たちでも買える値段にする。」
「そんなに安く提供できるでしょうか?」
「確かに、チョコ丸ごとは難しいけど、クリームでかさ増ししたり、小さくチップ状にして、パンやクッキーにちりばめたら、可能だと思ってる。」
「さすがですな、これは香ばしい臭いがプンプンします。」
そっちのチョーコはくーろいぞ!
「しかし、黒はご婦人方に受け入れられるでしょうか?」
「殿方には黒、ご婦人方にはホワイトチョコがいいかもね。砂糖やミルクを加えて甘さや色の調節すれば、男性用、女性用にもできる。それにホワイトチョコにイチゴを混ぜるとピンクになるし、発酵前の茶を粉末にしたものを加えると緑になるよ。今回はイチゴが入手できなかったけど。」
「これは菓子作りのバリエーションが飛躍的に高まりますね。」
「いろいろ開発していこうよ。」
「これは、本当においしいですね。ありがとうございます。」
私は、ローサが喜んでくれるのが一番嬉しい。




