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リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
122/1781

木工作業場視察

 ここは、商店街の東端にある家具、木工の店。

 今日はここの視察を行う。


「商売の具合はどうですか。」

「新築の家が増えてるからね。まあ、儲けさせてもらってますよ。」

「材料はちゃんと入ってます?」

「ああ、燃料は手に入りづらいけど、家具用の木材は別物だからねえ。特に問題ないよ。」

 そう、この国では、家具に使うような大径材は高価で貴重だが、薪は安価なのである。 つまり、同じ木材でも、市場では全く別物扱いである。


「この木材を加工できますか?」

 南大陸から持ち込んだ、例の木材。


「これは独特なツヤがある、いいものですね。どんな物であっても、木材である以上は加工できるって、これかなり堅いですね。」

「堅すぎて使えませんか?」

「いや、使えるが・・・重いし堅いので、使う家具の種類、若しくは使いどころを限定した方がいいかも知れないね。」


「これは、南大陸の木なんですが、これからこの木を買い付けたいと考えているんです。使い道を考えてみていただけないでしょうか?」

「面白そうだね。少し時間をいただけると。」

「分かりました。」


「これだけ堅いと多分、腐りにくいとは思うんですが。後、曲がりやすさや磨いたときの見た目、塗料の乗り具合なども見ておくべきかと思います。」

「確かにそのとおりだね。」

「しかし、海の向こうの木ですか。よくこんな材料を探してきたものです。」 

 まあ、主はクラリネット用なんだけど・・・


 さて、午後からは食品加工工廠へ 。

「ここが醸造部門です。現在、製造中のものはワインのみですが、今後は種類、量とも増やしていきます。あちらが海産物の梱包部門です。乾物は、ウスターから毎日一定量が搬入される予定ですので、占有スペースとしては、あの程度としています。」


「向こうの製造ラインはお菓子だね。」

「はい。最初はクッキーとビスケットのみの生産となります。将来的には、醸造部門、菓子部門のほか、調味料の部門も置いて別棟で生産しますが、今はこれで十分ですので。」


「早く材料が揃えられるよう、努力するよ。それと、従業員の訓練は上手くいってるかな?」

「はい、醸造はまだ難しいですが、撹拌や梱包は随分上手くできるようになってきました。」

「まずは、早さより仕上がりの丁寧さを重要視して欲しい。」

「そのように努めます。」


 ここでも、ロスリー商会から借りた人材が、管理者として活躍している。

 まあ、商品を卸すのも商会だけど。


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