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リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
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ワンマンブラック

「さて、父もそろそろ帝都に着く頃だなあ。」


 セバスと悪だくみを始めて早くも3日。

 この間にセバスは精力的に動いてくれて、母への送金は止まった。

 測量部隊も嫌な顔をされながら、何とか騎士団の了解を得られたみたいだし、各騎士爵領でも石拾いが始まるだろう。


「しかし、ブラックだよなあ。若い教員並に仕事あるよね。」

「坊ちゃま、毎日お仕事に一生懸命なのはよろしいのですが、お若いとはいえ、あまり根を詰めるとお身体に障りますよ。」


 この方はマリアさん。

 いつも豪快に働く肝っ玉かあさんだ。

 母のいない私にとっては母代わりである。

 まあ、49才に今更母親もないのだが・・・


「あらあらまあまあ、楽しそうでございますね。白湯をお持ちしましたので、しばしおくつろぎ下さいませ。」

 この方はオルガさん。

 どんな大事件でも「あらあらまあまあ」で受け流せる超人である。

 そしてこの二人、性格は真逆なのに何故か気が合うらしく、いつも楽しそうに仕事している。

 特にオルガさんは怒れる父を唯一止められるとの噂を聞いたことがある。

 全く人は見かけによらない。


 ちなみに、当家ではお茶を飲む余裕はない。

 「かさじぞう」のおじいさん同様、お湯を飲むのが精々である、とてもわびしい。

 コーヒーは・・・まだ伝来してない。

 そういえば、ワンマンブラックみたいな名前の缶コーヒーがあったような。


「しかし、没落しないための努力は、没落した後と変わらないくらいしないといけないんですねえ。」

「難しいことはオルガには分かりかねます。でも、頑張れば必ず報われます。それは信じてよろしいと思います。」

 いや、そうではないと知りながら、散々教育現場で・・・ゲフンゲフン

 しかし、素直に信じることで少なくとも心は救われるかも、と思うようにする。


「坊ちゃま~、白湯のお替わりもありますからねえ」

 オルガさん、言っときますけどそれ、温かい水ですからね。

 こうして二人にペースを乱され、もとい、休憩を上手く挟みながら法案を書いていく。


 しかし、雇用主が激務なのをブラックと呼ばないのは不公平だと思う。

 だって学校でも管理者っゲフンゲフン・・・どうしたんだろう、何だか調子が・・・


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