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リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
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事務仕事もたくさん用意してある

「では早速特許申請やし尿回収場所、協力者探しと送金中止など、できることを措置したいと思います。しかし、帝都からは来るでしょうな、苦情が。」

「父も着いた途端、いきなり大変だろうが、夫婦だからね。」

「容赦ないですな。」

「会ったことない人に、思い入れなんか無いからねえ。」


「それにしても、忙しくなりますな。」

「とにかく人手が足りなさすぎる。早く補充できるように資金を集めないと。その間に更に準備すべきことも・・・」


「他にも何か?」

「役人の就業や倫理に関する規則、文書の作成や保管、機密保持の規定、領内法の整備と帝国法の勉強、奨励産業の指定や職人の技能検定制度など、作るべきものがたくさんある。特に、リンツ領は法整備があまりにおざなりな印象がある。」


 各領主には、帝国法が定める範囲内で具体の方法を決定する権限がある。

 例えば、領地によって税率が異なることなどは良い例だ。


「具体的にはどのような法令をお考えで?」

「現時点で考えているのは、奴隷取引の制限や埋葬、文化財保護、自警団設置、私刑禁止なんかだね。」


「奴隷は禁止出来るのですか?」

「完全な禁止は出来ない。やろうとしても失敗するだろうし、中央が認めているからね。でも、この制度は奴隷所有者以外にメリットがない。持つ者が利益総取りで他の者が雇用によって本来貰えるはずの報酬を貰えないのは、領民の所得向上の足枷にしかならない。」

「そういう見方もあるのですね。」

 現代的感覚だけど・・・


「後は、税率の引き下げや関所通行料廃止、徴税方法見直しも進めていく。」

「税収を減らすのですか?」

「税率が低い土地には人口が流入するはず。人口が増えれば、税率を下げた以上の増収が見込まれるし、住居建築など経済が上向く。それに、人が増えれば出来ることも増える。通行料も同じ、流通量が増加すれば商人の所得が向上し、税収という形で戻って来る。」


「つまり、小利を捨てて巨利を得るということですか?」

「さすがです、セバス。どのみち現状では、これ以上税率の上げようがないし、従来の方法で税収アップ出来ないなら、違うやり方をしないと。」


「しかし、今の状況で税率引き下げは、かなり危険な賭けでは?」

「もちろん様子を見ながらになるし、段階的に引き下げて通行料については、最終的に廃止する。急いては事をし損じるとも言うので。」


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