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リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
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目覚め

誤字報告いただきました皆さん、本当にありがとうございました。


 私の名は山本聡太。突然ですが、ただ今絶賛夢の中です。

 ええ、夢の中だと分かります。いやこんなのは夢でしかあり得ないと思いますので、これは夢です。


 私は今、目覚めたところです。夢の中で目覚めたというのも可笑しな表現ですが、目覚めたら二人の妙齢の外国人女性が私をのぞき込んでいました。ちょっとびっくりしました。


 二人はいわゆるメイド服を着ています。私はというと、言葉を発することもできず、身体も思うように動かず、どうすることもできないまま上を見上げることしかできません。


 そして年配(失礼)の方のメイドが私を抱きかかえます。どうやら私は赤ん坊という設定のようです。

何か優しく言葉をかけてもらっていますが申し訳ありません。全く言葉が分かりません。

 でも、どうやら怖い夢ではないようで一安心です。


 さて、先ほども紹介しましたとおり、私は山本聡太。高松市内で中学校教師をしている49才です。

学年主任をしており担当教科は理科です。3年2組の担任で吹奏楽部の顧問をしております。多分、定年まで勤めても教頭にはなれそうにない、ごくごく平凡な教師です。

 ちなみに、元教諭で一つ年上の妻恵利加と来春大学卒業予定の娘、舞と大学受験を控えた達哉との四人家族です。

 そして明日から始まる三者面談の資料を準備して眠りについたらこうなっていました。


 夢はその人の願望や潜在意識に影響を受けるともいわれますが、赤ちゃんになりたくなるほど三者面談が嫌だったんですね。まあ嫌ですけど。


 だいたい、無理難題を言う保護者と生徒が多すぎるのです。そんなに上の志望校を目指したいならもっと勉強すればいいのに、できなければ全て学校や教師のせい。

 しかも、保護者の中には東大卒の方も居て、我々教師を見下してくるんです。「お宅、どちらの大学を出られたのですか?」だって。大きなお世話じゃありませんか。私だって東京○○大学ですよ。

 すみません、つい感情的に・・・


 しかし、これは何年やっても慣れることはありません。これと家庭訪問がなければどれだけ楽か。

 という訳で、昨晩、いや早朝にベッドに入ったところです。


 意思疎通すらできないつまらない夢ですが、朝が来るよりよっぽどマシです。せいぜい身体の疲れを取るのに専念しましょう。

 

 そう思って改めて状況を確認しますと、どうやら現代ではなく古い世界のようです。


 昼間のようですが部屋の中は何だか薄暗く、メイドが二人もいるにもかかわらず、これといった家具や調度品、赤ん坊の部屋ならありそうな物なんかも見当たらず、あまり裕福には見えません。しかも言語は聞いたことの無いものです。大学時代に第二言語でドイツ語を取っていましたが、似てはいるものの違う言葉です。


 動けない、話せない、それでも朝が来るよりはマシな夢、始まります。


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