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保護猫と私  作者: 光内椿
5/7

夜鳴きと買出しと自分の欲

勝手口から脱衣所に入れられた猫。もう既に我が物顔。

緊張した様子もなくウロウロ周囲の匂いを確認しては砂かけるような様子。

祖母の許可が必要なのでしばらく脱衣所で過ごしてもらう。

撫でた後、実習課題をしようと自分の部屋に戻ると

「にゃーんにゃーんにゃーーーーん」

猫が鳴く。課題に取り掛かるがひたすら鳴きまくる。鳴き止まない。様子を見に行くと鳴き止み、足にすり寄ってくる。

「しゃん、鳴きよってどげしたん。夜だけん静かにね。」そう言ってまた部屋に戻る。しばらくして

「にゃーんにゃーーーーん」もうどうしようもない。パソコンを持って脱衣所で課題をする。太腿にパソコン、脛に猫。それから毎日、家族みんながお風呂に入った後パソコンを持って脱衣所で猫と一緒に課題をするようになった。


さて、祖母が家に入れた三毛猫、家の中で飼育するとなるとトイレの用意、健康診断、避妊手術にノミダニ駆除やることがいっぱいである。まずは猫用品集めから開始した。

バイト代を引き出しつつ、父をパトロンにペットショップを巡る。

お茶碗にトイレ一式、首輪、おもちゃなどいろいろカートに突っ込んだ。ご飯はいろいろ種類がありすぎてどれにしたら良いのかわからない。とりあえず室内猫用を買ってみた。

2,3匹の子猫が目に入る。どの子も可愛い。家族に迎える人もいるんだろうが、でも私は今あの子のために来ているのだ。他の子に気を取られてはいけない。

沢山の猫グッズを購入し帰る。トイレはすぐに覚え、甘えてくれる可愛い子だった。

ここで1つ疑問が出てきた。

この子は元々どこかの家猫じゃないか、もしかしたら探してる人がいるんじゃないかと。それからしばらく新聞のペットコーナーを読んでは探してる人がいないか確認していた。でも本音は探してる人が見つからないことを願っていた。こんな可愛い子、誰にも渡したくなかった。欲深い人間であり、恥ずべき自分の心を認識した。こんな欲まみれの自分を見たくないと蓋をするように新聞や広報誌を読んでいた。

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